【日本代表】「上田綺世-鎌田大地」新ホットライン開通を!W杯でドイツに勝つ確率を高められるデュオ
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)。鎌田大地と上田綺世を軸に据えた場合の「こんな布陣を見てみたい」。(C)SAKANOWA
二人を軸とした「こんな布陣を見てみたい」。
サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が6月2日のパラグアイ代表戦(@札幌ドーム)を皮切りに、ブラジル代表戦など4連戦に臨む。森保一監督は28人を招集。初招集は伊藤洋輝(VfBシュツットガルト)のみだが、彼は森保監督の率いたU-23日本代表時代にもプレー。“ラージグループ”からの選出で、いわゆるサプライズ招集は一切なかった。
カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選を終えて最初の活動で、W杯出場国との貴重な対戦の機会に。森保監督はこれまで戦ってきたメンバーで臨み、W杯本番――ドイツ代表、スペイン代表、コスタリカ代表orニュージーランド代表と戦うための最適解をここから探ることになる。
このあとベストメンバーを招集できるのは9月の活動のみで、そこはヨーロッパでの実施も検討されている。今回3バックの採用もあり得ると言う。システムや組み合わせを改めて模索する思い切った取り組みへの着手、一方、新たな連係熟成への一歩目を踏み出せる。6月シリーズの焦点はそのあたりになる。
そこでぜひ着手してほしいのが「鎌田大地―上田綺世」のニューラインの構築だ。
25歳の鎌田はアイントラハト・フランクフルトの中心選手として、UEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝に貢献。そして23歳の上田は鹿島アントラーズのエースストライカーとしてJ1リーグ得点ランク1位の9ゴールを決めている。
フランクフルトではトップ下の“鎌田の出来”がチームのパフォーマンスそのものに直結する、という時期が長く続いた。そのためプレーにムラがあった間、ベンチスタートが増えた時期もあった(ストライカーにこそ問題があるとも言えたが)。日本代表でも同様のことが言え、トップ下を配置しない4-3-3が固定化されていくと「3ボランチ」がハマり、最近の活動で鎌田は二度招集されていない。
ただELの準々決勝FCバルセロナ戦、準決勝ニューカッスル・ユナイテッド戦など大活躍。殻を突き破り、クラブを代表する一人となっていった。
一方、上田は背後のスペースを突く動きに長け、シュートパターンも多い(精度も上がっている)。日本代表ではFWが2列目の攻撃力を最大限に引き出す――と言える森保ジャパンの戦いのなか、昨年の東京オリンピックを含め、彼の特長がなかなか生きない“宝の持ち腐れ”のような状態が続いた。
鎌田は昨季までのフランクフルトでは、ポルトガル代表FWアンドレ・シウバとのホットラインを形成。それぞれがゴールに絡み、得点とアシストを量産した。そしてアンドレ・シウバは今季RBライプツィヒに引き抜かれた。
日本代表では両選手とも、南野拓実、久保建英、堂安律のように自らゴールを狙う2列目のタレントと、なかなか噛み合わずにいる。4-3-3にシステムが移行し、トップ下が最も生きる鎌田は居場所を失う形になり、“生かされるタイプ”の上田は“生かすタイプ”のパートナーと巡り合えずにいる。
W杯本番で、ドイツやスペインからの勝点獲得にフォーカスすれば、むしろスタメンにいなければいけない「格」のタレントと言っていい。特に鎌田は現在進行形で戦っているステージが、日本代表の中でも段違いである。欧州主要国の2部リーグや1部でも残留争いをしてきたチームの選手とは、見ている風景が明らかに異なる。上手いうえに強さや勝利にこだわる。それはJ1リーグ首位に立つ鹿島のストライカーである上田にも、共通項がある(セルティックFCの古橋亨梧、前田大然も同様に)。
日本代表がドイツ代表に勝てる可能性はもちろん極めて低い。
ただしブンデスリーガでも異彩を放つ鎌田、まだ世界のマーケットに気付かれずにいるが日本を代表するストライカーになりつつある上田がそれぞれベストに近いコンディションで噛み合えば――。10回戦ったなかで1・2回は引き分け、さらに勝利に持ち込めるかもしれない(きっと他にも条件はあるが)。それぐらいまで確率は上がるのではないか。
その関係性をオプションとして「試す」のではなく、W杯本番まで「深めて」ほしい。今最も進化のペースを上げていてなおかつ勝利のため闘える、楽しみなデュオだ。
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