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飯倉大樹が神戸の課題を指摘「応急処置ではなく、根本の治療が必要」

オンラインの取材に応じた神戸の飯倉大樹。(C)VISSEL KOBE

『信頼』をキーワードに挙げる。天皇杯の山口戦、そして低迷打破へ「僕だからできることもあると思います」。

[天皇杯 3回戦] 神戸 – 山口/2022年6月22日19:00/維新みらいふスタジアム

 ヴィッセル神戸のGK飯倉大樹が6月21日、オンラインによる取材に応じて翌日の天皇杯3回戦レノファ山口戦に向けて抱負を語った。そのなかで現在リーグ最下位という状況を受けて「何を変えるべきか?」という問いを受けると、36歳になった飯倉は「応急処置ではなく」「根本的な治療が必要」と率直な思いを口にした。

 2回戦のカターレ富山戦(〇3-2)で先発フル出場して勝利に貢献。リーグ戦でも復活が期待されるなか、まず天皇杯3回戦の山口戦でもチャンスが巡ってきそうである。

「僕のプレーは特殊ではありますが、その中でチームにプラスアルファ、いい方向へ持っていけるかが僕の中で課題でもあります」

 守備面に加えてビルドアップの面で力になり、チームにとっての突破口を切り開きたいと言う。

 一方、リーグ戦では2勝5分10敗の11ポイントで最下位に低迷する。一体、何を変えればいいか? その問いにベテランの域に入ってきた飯倉は考えながら答えた。 

「昨年と違い、守備のところで大きく変わりました。ただサッカーは点を取らないと勝てない。もちろん取られれば負けますが、どちらが多く点を取るかというゲーム。守備に頭が全体的に行き過ぎ、失点しないためための守備で失点してしまうと持ち直せない試合が多いと感じます。柏戦も1点取れたものの2失点し、そこから反撃できなかった。今のチーム状況が出ていたと思います」

「何を変えたらいいかと聞かれ、では、これとこれとこれを変えれば良くなるのでは、という応急処置的な問題ではない。守備をし続けて、俺たちはどこかで絶対に点を取れるという信頼が大切。昨年はハッキリとした戦術がなくても、勝つことによってそういった信頼感が生まれいい方向に進んでいったと思います。今年は形はあるけれど、それが勝つための形に、みんなで同じ方向に向いていないと思っています」

 そのように『信頼』という言葉を一つキーワードに挙げた。さらに飯倉は投げかける。

「何かを変える、って、簡単には言えない。根本的に難しい問題に直面していると思います。それを改善するには、クラブの中・長期的な目標があり、簡単に積み上がっていけばもちろんいいけれど、サッカーは相手ありきで、自分たちが成長するのにも極端なスピードで上がっていくものでもない。今はこのチームの根本の治療が必要だと思います。その治療が、ロティーナがやっていることなのか違うものなのかはクラブが判断し、クラブがそこに向かって、みんなに伝えて成長すべきだと俺は思います。応急処置的な言葉は今は意味をなさないのかなと思います」

 ストレートでやや刺激的であるが、飯倉は今指摘をしておくべきだという。

「いい歳だから、頑張りますとか、どうにかします、という言葉はみんな聞き飽きていると思うから。こういうジジイみたいなヤツが根本的なことを言っておかないと。こうした内容をサポーターが見て、みんながどの方向に向かうのかは大事なことだと思います。まあジジイだし、後先ないから言いますけれど」

 そのように飯倉は笑いながらも真剣に語った。

 そして相手はジャイアントキリングを狙う山口戦へ――。

「(神戸は一発勝負のカップ戦では結果を残しているが?)個々の能力で試合が決まるところが大きく、Jリーグと異なる大会で、選手も違ったメンタルで臨めます。トーナメントの結果を出しているチームとしては、『勝つ』っていう側面で見たらいいタイミングで試合があると思います。

 とはいえ天皇杯に勝ったからと言ってJリーグで勝つのはまた別。そこは一緒にせず、何をすべきかが大事。勝つことが大前提ではあるけれど、ただ勝って課題が見えないのがこのチームでもある。そこではないところに、俺はフォーカスしたいと思います」

 JFL時代のロアッソ熊本への1年間のレンタルを挟み、J1リーグで17年間戦い抜いてきた男は「僕だからできることもあると思います」と、ヴィッセル神戸のために闘うと誓う。

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