【浦和】「宏樹は新幹線のようだ」モーベルグが咄嗟の判断から酒井経由で松尾佑介の先制点をもたらす
浦和のモーベルグ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
スローインのクイックスタートから――。そして120分弾も。
[ACL 準決勝] 全北現代 2 (1EX3) 2 浦和/2022年8月25日19:30/埼玉スタジアム
AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝、J1リーグの浦和レッズが韓国Kリーグの全北現代モータースとの一戦、延長終了間際120分のキャスパー・ユンカー弾で2-2に追い付き、PK戦を3-1で制して決勝進出を決めた。
開始11分、待望の先制点は、この日まで2試合連続ゴールを決めていたダヴィド・モーベルグの咄嗟の判断からもたらされた。
敵陣右サイド、浦和ボールのスローインに。普段であれば酒井宏樹がスローワーになるところ。しかしボールパーソンからボールを受けたモーベルグはクイックリスタートを選択する。すぐに伊藤敦樹に託してリターンを受け、インナーラップした酒井につなぐ。
そして酒井のクロスが、松尾佑介のゴールを生んだ。
モーベルグは咄嗟の判断について、「感覚的にその瞬間に判断したプレーでした。宏樹が本当にいいスタートを切ってくれていました」と、阿吽の呼吸から、連動して生まれたゴールだったと明かした。
特にその“瞬間”をすぐ感じ取った酒井のプレーに感嘆していた。
「宏樹は新幹線プレーヤー。時々、新幹線のように、とても速く走って助け、ボールを運んでくれます。僕は時刻表のようにパスを出すだけですよ」
モーベルグは笑った。
確かに相手選手のみならず、スタジアムにいた多くの人が虚を突かれたようなタイミングから、最後は酒井→松尾とつないで先制点は決まった。相手に与えたダメージは大きかった。
「(意表を突いた判断について)時折それがいい結果をもたらすことがあれば、上手くいかないこともあります。あまり難しいことはせず、シンプルに選択して上手くいきましたね」
そのようにモーベルグは振り返った。さらに120分、モーベルグがタメを作り、大外を駆け上がった酒井へオフサイドぎりぎりでパス。そこからキャスパー・ユンカーのミラクル同点弾が決まった。
28歳のスウェーデン人アタッカーは今回の埼玉ラウンドではサイドアタッカーながら、3試合連続フル出場。最後は120分間を闘い切った。
「このような大会は、8-0でも、PK戦でも、決勝進出できれば一緒です。みんなと祝福し合えてとても嬉しかった。決勝に進めて、本当に喜ばしいです」
浦和の10番は安堵の笑みを浮かべ、ファイナルを心待ちにしていた。
西地区代表とのファイナルは、来年2月19日にアウェー、26日にホームで開催される。
[取材・文:塚越始]
【注目記事】
・【浦和&PHOTOギャラリー】延長120分+PK戦制す!酒井宏樹の渾身オーバーラップからユンカー衝撃同点弾。ACL準決勝、全北現代を下し決勝進出
・【浦和】劇的同点弾を演出した酒井宏樹「昨年の夏、誰も賛成しなかったこの移籍が成功だと示すためにも、この大会が重要だった。ただ…」