W杯を掲げるメッシがまとった外套「ビシュト」。賛否両論も「神々しさ増す」「一目で大会が分かる」
カタールW杯を制し、表彰式でビシュトをまとってトロフィーを手にするアルゼンチン代表のメッシ(右から)、カタールのタミーム首長、FIFAのインファンティーノ会長。(Photo by Julian Finney/Getty Images)
ユニフォームが“世界一”映える瞬間なだけに…。本田圭佑やシュバインシュタイガーは批判。
[カタールW杯 決勝] アルゼンチン代表 3(2-2、1EX1、4PK2)3 フランス代表 /2022年12月18日18:00(日本時間19日0:00)/ルサイル・アイコニック・スタジアム
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)ファイナル、アルゼンチン代表が延長120分とPK戦の末にフランス代表を下し、36年ぶり三度目の優勝を果たした。
アルゼンチンのキャプテン、リオネル・メッシは35歳にして初のW杯制覇を達成。スーパースターはこれで自身のキャリアで、獲得可能なほぼ全てのタイトルを手に入れた。
表彰式では、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長からアラブの伝統的な男性用の外套「ビシュト」(Bisht)が贈られ、メッシはそれを羽織ってトロフィーを掲げた。
ただ、表彰式のトロフィーアップは、ユニフォームが最も輝く瞬間である。しかもW杯である。ビシュトをまとったままの“違和”に、多くのサッカーファンも戸惑った。
『ABEMA』の解説を務めた元日本代表MF本田圭佑は「メッシ、あの着させてもらったやつ脱いだほうがいいんちゃうかなと思って。アルゼンチンのユニフォームを全面的に出したほうがいいじゃないですか。メッシ優しいから」と指摘。またドイツ『ARD』では、元ドイツ代表FWバスティアン・シュヴァインシュタイガー氏が「選手にとっての素晴らしい瞬間を奪った。あれは良いとは思えない。あとでバックヤードでやればいい。メッシも喜んでいなかったと思う。私の目には、あのアクションは成功したとは思えない」と批判した。
ビシュトはアラブで限られた高貴な身分の者が、特別な機会でしか着ることのない伝統的で崇高なもの。SNSでは賛否両論が出ていたが、次第に異文化を汲もうとする声も増えていった。「神々しさがむしろ増す」「一目で2022年のカタールでのワールドカップだと分かる」など、こうした議論を含め、初の中東開催でのW杯――その主人公メッシ、それが永遠に刻まれる歴史的な1ページとなった。
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