柏MFマテウス・サヴィオ、すっかり大和魂「家族が幸せだとパフォーマンスが上がる」。母国で受けた脅迫…ブラジルへの帰国は考えず
柏のマテウス・サヴィオ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
Jリーグ2023シーズンの主役になるか!「フィールド外で見つけた平和にも感謝している」。この春には――。
J1リーグ柏レイソルの「10番」をつけるブラジル人MFマテウス・サヴィオ(Matheus Savio)がこのほど、ブラジルメディア『NETFLA』のインタビューに応じて、若くしてデビューした母国で辛い目に遭ったことを振り返り、いま日本で充実した生活を送れていると語っている。
マテウス・サヴィオは来日5シーズン目。2019年途中に加わるとJ2リーグ19試合・7得点と活躍しチームをJ1昇格へと導いた。そしてレイソルの欠かせぬ存在となり、昨年は背番号10をつけて、リーグ32試合・6得点、公式戦通算35試合・8ゴールと目覚ましい活躍を見せて、チームの7位躍進に大きく貢献した。
コロナ禍とケガなどに苦しみながらも乗り越え、Jリーグでも一つ突き抜けた存在になりつつある。
新シーズンは自身にとっては日本での初タイトルを狙う一方で、「フィールド外で見つけた平和にも感謝している」ということだ。「日本の文化に魅了され、数か月後には息子の入学を控えている」として、マテウス・サヴィオは「家族が幸せだと、自分のパフォーマンスも上がるんです」と語っている。
ブラジルでは10代でプロデビューを果たした。しかしボールロストから失点して敗れた試合があったが、そのあと、彼のみならず家族も脅迫を受けたという。
「私がブラジルで体験したのは、私、母、妻に対する脅迫です。日本は異なります。私たちはアスリートとして、人として尊敬されています。サッカーは人々の情熱をかき立てるものですが、ブラジルでは敬意を払わず、選手が人であることを考えなくなります。攻撃や脅迫をいくつも受けました。日本ではこのようなケースは考えられません。ピッチにいる時はファンもヒートしますが、街中では普通に一緒に生活できます」
ブラジルサッカー界では慢性的に「暴力」「ヘイト」が問題視されてきた。サヴィオは、一般的なフラメンゴのファン全体は賞賛しているという。ただし今のところ、ブラジルに帰るつもりはないそうだ。
すっかり大和魂を持つ戦士に。ネルシーニョ監督のもと、今年4月15日には26歳になる、今まさに脂に乗るマテウス・サヴィオが、2023シーズンのJリーグの主役になるか――。