浦和と交渉中、ホセ・カンテの所属した滄州雄獅が始動。やはり給与未払い「スポンサー資金が届いていない」
昨年行われたE-1東アジア選手権での日本代表対中国代表戦より。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
中国メディアが報じる。新たに2人の助っ人を獲得を予定。
J1リーグの浦和レッズが交渉中と言われるスペイン出身のギニア代表FWホセ・カンテ(Jose Kante)だが、昨季所属した中国超級(1部)リーグ滄州雄獅足球倶楽部(滄州雄獅FC、前・石家荘永昌)が2月21日に始動した。セルビア人のスヴェトサル・ジャプリッチ前指揮官は契約満了により退団し、元中国代表のチョウ・シュンテツ氏が新監督に就任した。
昨季はリーグ11勝11分12敗の勝点44、47得点・51失点で12位。中国のサイト『新浪体育』によると、23日の段階で、外国籍選手はおらず、2人の新たな助っ人のミッドフィルダーを獲得予定だという。また昨季14得点・6アシストを決めた「ホセ・カンテはJリーグに移籍することになる」と報じ、大幅な得点力ダウンを嘆いている。
そのうえで、これまでクラブには「スポンサー資金の一部がまだ届いていない。そのため昨季のサラリーの一部がいまだに支払われていない」とレポート。「クラブへの投資家は、資産と不動産を活用し選手と一緒にシーズンを戦うための方法を考えている」として、過去に交渉したスポンサーと再び話し合うなど運営の改善に努めているそうだ。その未払いの額は「深刻ではない」という。
中国では複数のクラブで給与未払いが起きていて、リーグの構成にも影響を及ぼしている。
FIFAの規定では、2か月以上の給料未支払いが認められた選手は、フリーになれると定められている。カタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表FW浅野拓磨もセルビア1部パルチザン・ベオグラードからの給与支払い遅延により退団しフリーになり、現在のVfLボーフムに移籍した騒動は今なお記憶に新しい。コロナ禍の影響を受けて、特に外国籍選手がそうした給与未払いの“被害”を受ける例が、世界各国で問題になっている。
ホセ・カンテは1990年9月27日生まれ、スペイン・サバデル生まれでギニア国籍を持つ32歳。184センチ。昨年夏に滄州へフリートランスファーで加わり、中国1部リーグ14得点・6アシストを記録。センターフォワードが主戦場で、右ウイングでプレーした経験もある。これまでマラガB、ゴルニク・サブジェ、レギア・ワルシャワ、FCカイラットなどでプレー。ギニア代表として、国際Aマッチ26試合・4得点。
果たして、大詰めを迎えているというカンテと浦和の交渉は、このまま問題なく締結されるのだろうか――。