【浦和】興梠慎三が明かす圧巻ゴールの舞台裏「宏樹から『スルー!』の声」「今日は貪欲に行かせてもらった」。小笠原満男の17年連続J1連続ゴールに並ぶ
興梠慎三。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
「左足であのように打つシュートは得意。自信を持っていた」
[J1 6節] 柏 0-3 浦和 /3月31日19:00/三協フロンテア柏スタジアム
J1リーグ6節、浦和レッズの興梠慎三が柏レイソル戦の44分、技ありのキックフェイントから今季初ゴールを決めた。さらに後半2点を追加した浦和が3-0で勝利し、リーグ4連勝を収めた。
「個人的には前半ミスが多くて上手くいっていない感じだったなか、上手くゴールが決まって良かったです」
36歳のストライカーは、何より勝利できたことを喜んでいた。
44分、左サイドで明本考浩がヘッドで落とし、駆け込んだ関根貴大が縦にドリブルで持ち込む。そのマイナスのクロスを懐に収めた興梠が、キックフェイントで田中隼人と守田達弥を無力化させ、シュートを決めた。
「(キックフェイントについて)あそこでシュートを打ったら相手ディフェンダーに当たると思ったので、ワンフェイント挟んで、いいコースに飛んでくれました。(GK守田が倒れるのは見えた?)いや、そこまでは見えていなかったです。感覚的に(向かって)右のほうへ蹴ろうと思っていて。左足であのように打つシュートは得意にしています。自信を持っていました」
また関根のクロスに対し、後方からボールを要求する声が聞こえたという――。
「タカ(関根貴大)のクロスに、自分の後ろから(酒井)宏樹の『スルー!』って声も聞こえました。けれど自分が得意なところに持っていけたらゴールを決められる予感がありました。ちょっと今日だけは貪欲に行かせてもらいました」
まさにストライカーの嗅覚が、結果につながった瞬間だった。
「セレッソ戦でPKをもらった時、自分で蹴っても良かったんですが、最初はこうした自分のゴールで記録したいと思っていました。(通算164得点)そこはモチベーションにしていません。今日は4連勝すること。この連勝が止まらないように高いモチベーションでできています」
そしてJ1リーグでの17年連続ゴールは、鹿島にいた小笠原満男と並んだ。
「満男さんとはポジションが異なるので、比較してはいけないと思います。でも満男さんは鹿島にいた若い時からずっと尊敬している人なので、肩を並べられたことは嬉しく思います」
指揮官から『浦和の将軍』と異名も与えられた36歳のエース興梠が、ここからさらに自身とチームにゴールをもたらしていく。