「プロってそんな感じなん?」Youtuber那須のJリーグ『1試合』復帰に賛否、元監督が厳しい指摘
那須大亮が自身のユーチューブチャンネルで、「1週間限定」の現役復帰を報告。※那須大亮公式チャンネルより
マリノス時代の先輩でもある安永聡太郎氏がつぶやく。
J3リーグいわてグルージャ盛岡(岩手)への現役復帰を発表したユーチューバーのDF那須大亮だが、その期間が「1試合のみ」という短期間のため、主にクラブと那須の“話題作り”だったことが分かり賛否両論を呼んでいる。
岩手は15日、公式サイトで那須の2019年以来となるJリーグ復帰を発表。41歳のプロ再挑戦にサッカー界が驚きとともに、その挑戦をたたえた。
ところがそのあと、那須が自身のユーチューブチャンネルで、現役復帰は今週末のホームでの愛媛FC戦(8月19日18時キックオフ)まで1試合のみ、「1週間限定」であると公表。岩手の秋田豊社長と松原良香監督から「チームを盛り上げてほしい」と相談されなかで、このタイミングで決断を下したということだった。
ただJ3のプロクラブが選手登録枠を与えたうえで、クラブとユーチューバーのPRが主な狙いと分かったため、SNSでは期待を裏切られたという声も一気に増えた。
そのうちSC相模原で指揮を執った経験があり、横浜F・マリノスでは那須とともに現役時代にプレーしている安永聡太郎氏は、自身のツイッター(@yasunagasotato)で次のように心境を吐露した。
「那須大亮氏は引退後応援している後輩だが
今回の1週間限定現役復帰は
育成年代指導者としては
人気YouTuberが子供達の目指す夢舞台の価値にJ3(プロ)って
やっぱそんな感じなん?と思わせる社会的影響力があり
企画を認めたリーグ側も含め残念だなぁと思ってしまう」
※投稿の一部誤字修正
その投稿に対して、岩手の限られた予算のなかで人々の注目・関心を引き出すのであれば、「賛同できる」という声もあった。また、ユーチューバーを企画に引き込むというのもまた時代の流れではないかとも。那須がJリーグの価値を毀損することはないという意見も見られた。
一方、当初は那須が一肌脱ぎ、岩手のために残りのシーズンを戦うものだと誰もが思った。ところが、まさかの『1試合限定』に。話題性のある人物であれば誰でも出来かねてしまう“企画”であり、しかもそれが那須のユーチューブとのコラボに落ち着き、安永氏の落胆に共感する声も少なくない。エンターテイメントではあるが、ピッチは選ばれし11人のみが立てる神聖な場所で、そこで全身全霊を懸けて戦う。しかも昇格や降格、そして個々のキャリアに直結するプロフェッショナルの戦いの場である(多くのJ2・J3クラブがあまり価値を示せずいるのも課題だが)。
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もちろん那須は岩手の選手たちの気持ちも踏まえたうえでの決断だという。ただ「1試合限定」には(だからこそ覚悟が詰まっているという捉え方もできるか)安永氏のように「残念だなぁ」というガッカリした反応も多く、賛否が渦巻いている。