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奈良竜樹「『奈良』で検索すると、いろいろ大変なことを書かれていて…」。キャプテンとしてルヴァンカップ福岡初優勝に貢献、聖杯を掲げる

奈良竜樹。(Photo by Masashi Hara/Getty Images)

「やっとこうして『奈良』で、いいニュースがお届けできて嬉しいです」

[ルヴァンカップ決勝] 福岡 2–1 浦和/2023年11月4日13:05/国立競技場

「2023 JリーグYBCルヴァンカップ」決勝、アビスパ福岡が前寛之と宮大樹のゴールで浦和レッズに2-1の勝利を収めて悲願の初優勝を果たした。クラブ史上初のタイトル獲得だ。

 キャプテンを務めた福岡の奈良竜樹は試合後、「(家族・祖父母らも観戦に来ていて)感謝というか、しっかりこうしてそういう人たちの前でプレーできて、優勝できて、そういうのもあの涙がこぼれた一つの要因でした」と語った。

 そのように涙に込められた思いを口にした。

「けっこう、いろいろ迷惑をかけたこともあるし、『奈良』って検索すると、いろいろ大変なことを書かれていて、そういう選手の親族、近しい人は辛い思いをしたこともあったと思います。それでも常に支えて自分の味方でいてくれて、やっとこうして『奈良』でいいニュースがお届けできて嬉しいです」

 まだJ2時代だった2011年に北海道コンサドーレ札幌でデビューし、J1昇格に貢献。そこからFC東京、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズを経て、昨季から福岡でプレー。2年目にして、長谷部茂利監督のもと、タイトルを獲得した。

 30歳にして掴んだ栄冠。カップを掲げた時の気持ちは?

「そういうところまで(どのように掲げるか、パフォーマンスなど)想定していなかったので、とにかく勝ちたいだけで、ただカップを掲げただけです。そこは覚えていないというか……思い入れがなかったと言うと失礼になってしまうのかもしれませんが、初めての国立で、たくさんの人の前で試合ができて、そこで勝てた。ただ、それが一番嬉しいです」

 奈良は勝利とサポーターとの歓喜、そこを純粋に喜ぶ。そんな言葉にも無骨さが感じられる。

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 キャプテンを務めたのは「中学以来です。当時腕章なんてなかったですよ」と言う。最後は浦和の猛攻に耐え抜いてのギリギリの勝利――北海道出身の博多の男が、魂のこもった守備でチームを支え、頂点へと導いた。

Posted by 塚越始