【なでしこジャパン】池田太監督「まさにこのサッカー王国の地で戦うことを求めて来た」。ブラジルと好勝負、10代古賀塔子と谷川萌々子デビュー「チームの輪に加わった」と評価
ブラジル戦で指揮を執る日本女子代表の池田太監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
2点差から88分に同点も…AT弾で3-4敗戦。指揮官が語った「収穫」とは?
[国際親善試合]ブラジル女子代表 4-3 日本女子代表 /12月1日3:15(現地11月30日15:30)/アレーナ・デ・サンパウロ
サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)がブラジル遠征第1戦、サン・パウロでブラジル女子代表と見応えある熱い戦いを繰り広げ、2点差から88分に追い付いたものの、90+7分に失点を喫し3-4で敗れた。
38分に宮澤ひなた→長谷川唯→藤野あおばと両サイドから揺さぶり先制。その後3失点を喫したものの、86分に谷川萌々子が倒されて得たPKを遠藤純が決めて1点差に。さらに88分、清水梨紗のクロスを田中美南がニアで合わせ同点としてみせた。それでも90+7分、再び重圧を強めたカナリア女子に決められ、これが決勝点となってしまった。
日本は4-1-4-1(4-3-3)を採用。2点目以降(1失点目はノーファウルとも思われる反則を取られての直接FK弾)はいずれもミスからの失点で、熊谷紗希を配置したアンカーなど中央部分からパワーとスピードで崩された点は課題となった。
池田太監督は試合後の記者会見で、このシステムの評価を問われ、次のように答えた。
「やれることを増やしているなか、中盤の人数を多くすることで、選手が関わり合いながらボールを動かして展開できたと思っています。守備の部分でも受け渡しや、スペースを潰すことを考えながらできたことは収穫でした」
また初招集された17歳の古賀塔子がセンターバックで先発フル出場、18歳の谷川は途中出場からPKをもたらすなど、いずれも活躍し楽しみな存在となった。
「古賀選手はしっかり落ち着いてプレーし、ボールを持ち出すプレーもできていました。守備の強さなど持っているものをしっかり出してくれました。後半途中から難しい状況のなか出場した谷川選手は、しっかりゲームに入り、ペナルティエリアに仕掛け、またしっかり状況を把握してできていました。チームの輪に入ったと思います」
この日は平日昼間の開催だが7000人が来場し、良い雰囲気を作り出していた。さすが王国ブラジルであり、その環境によって、なでしこの選手たちの力も引き出された印象だ。このブラジル遠征の意義を問われた池田監督は、「まさにこのサッカー王国の地で戦うことを求めて来た」と語った。
「近年はブラジルに限らず、ヨーロッパを含め、女子サッカーの発展と成長を感じています。我々も成長を止めず、これからもしっかり取り組んでいかなければいけないと思っています。このサッカー王国の地で戦えたこと、まさにそれを求めて我々は地球の反対側から来ました。そういった環境のなか、選手たちがこの経験でまたタフになれる、そういったことを望んでいます」
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日本は中2日で、再びブラジル女子代表と日本時間12月3日23時からサンパウロのシーセロ・ポンペウ・デ・トレド競技場で対戦する。
写真/早草紀子