【鹿島】クォン・スンテが引退記者会見。早川友基、沖悠哉らの飛躍を見て「自分の役割は果たせた」と決断
鹿島のGKクォン・スンテ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
一番の思い出はACL制覇以上に…。
今シーズン限りでの引退が発表されていた鹿島アントラーズのGKクォン・スンテが12月6日、カシマスタジアムで記者会見を行い、2017年から在籍した7シーズンの思い出や今後について語った。そのダイジェスト版が、ユーチューブの鹿島公式チャンネルで公開されている。
ダイジェスト版では、鹿島の背番号「1」は引退を決めた理由について、次のように語る。
「現役を続ける間は、最後を決めず一生懸命に取り組んでいましたが、『今年が最後なんじゃないかな』と少し思いながらやっていて、引退を決めるのは簡単なことでした。今シーズン、飛躍する若手選手たちの姿を見て、自分の役割は果たせた感触があり、そこで思いました」
そのように早川友基、沖悠哉らの台頭と成長を見て、心置きなく現役生活を終える決断を下せたそうだ。
在籍中の2018年、クラブ初のAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇を達成した。ただ、一番の思い出は――。
「皆さんの中では優勝、タイトル獲得の瞬間が残っていると思います。私の中では最初に来た時の思いが強く、『初心に戻る』という気持ちで鹿島に来て、そういう日々を過ごせた加入時の印象が一番残っています」
そして感動的だった引退セレモニーでの家族との一幕について。スンテが驚くとともに喜び、選手からお父さんの顔に変わった背景を明かした。
「クラブが引退セレモニーをしてくれると最初に伝えた時、家族が『行きたい』と言っていましたが、その日の主役は鹿島であり、鹿島アントラーズが輝かなければいけないので、来ないでほしいと伝えていました。だから引退セレモニーで家族のシルエットが見えた時、申し訳なさと嬉しさといろんな感情が出てしまいました。奥さんからは『泣かないように、泣かないように』と言われていましたが、家族を見た時は涙があふれ出しました」
韓国代表としてもプレーしたクォン・スンテは今後について、「18年間、サッカー中心で家族に何もできなかったので、パパ、旦那として一緒にいたいです。将来については、そこで考えたい。まずは家族と一緒に休みたいです」と語った。
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引退セレモニーでは「僕という選手は、サポーターの皆さんの力と、鹿島アントラーズというクラブがあったからこそ存在できました」と語って感謝を伝えていた。勝利のために全てを捧げる。鹿島の「ナンバーワン=背番号1」が様々なものをクラブにもたらしスパイクを脱ぐ。