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【札幌】ミシャ最下位…広島、浦和の歴史は繰り返されるのか?

ペトロヴィッチ監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

7年目、長期政権のデメリットが表出。鈴木武蔵の覚醒など、期待と伸びしろはあるが…。

[J1 4節]札幌 1-2 町田/2024年3月16日14:00/札幌ドーム

 J1リーグ4節、北海道コンサドーレ札幌は高卒ルーキー原康介が今季チーム初ゴールを決めたものの、J1初昇格のFC町田ゼルビアに1-2で敗れた。今季1分3敗と開幕から未勝利で、ついに最下位に転落した。一方、町田は3勝1分の勝点10で首位。

 開幕からなかなか攻撃のペースが上がらずにいる。相手がリトリートしたあと、最終ラインからのパスを回しで状況を探るものの、ボールを失ったり、強引な攻撃で終わる展開が続く。そしてこの日は町田に深い位置へボールを放たれたあと球際のバトルでも劣勢を強いられ、高い位置までボールを持ち出すこともできなかった。

 0-2となったあと猛攻を仕掛けたものの、それまであまり迫力のある攻撃を見せられずに敗れた。

 ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は試合後の「DAZN」のフラッシュインタビューで、「予想していた通りの試合展開でした。前半は互いに球際に激しくハードワークし、チャンスがあまりないゲームになりました」として試合内容を振り返り、「0-2になり、若い選手を入れて攻撃的に行きました。1点は返せましたが、2点目は奪えませんでした」と肩を落とした。

 札幌を率いて7シーズン目を迎える。広島、浦和では6年チームを牽引。タイトル獲得が求められた浦和では、6年目の途中に解任の憂き目にあっている(監督交代後にチームはACLを制覇)。

 3-4-2-1のミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)スタイルは、Jリーグを象徴すると言えるシステムと戦術にもなっている。現在札幌はケガ人なども多く、若手も積極的に起用している状況を踏まえると、ミシャの交代はなさそうだ。

 とはいえ、今回町田に”完敗”を喫したように、若手に頼る戦いの難しさは明らかだ。戦力の上積みがなければ、このまま低迷する未来も見えてきてしまう。いずれにせよ、戦術的な上積みが感じられないのは、広島、浦和と共通する状況にある。長期政権のメリットではなく、デメリットが表出する開幕4試合になっている。

 もちろんミシャのもとで覚醒し日本代表入りまで果たした鈴木武蔵が、メンバーも入れ替わったなかまだフィットできずにいる。このストライカーへの期待などは逆に、チームの伸びしろにも挙げられる。

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 まず初勝利、そして逆襲へ。ペトロヴィッチ監督が周囲に耳を貸すことも大切だろう。そして一方、この中断期間、何かしらクラブとして、具体的に一つ手を打つことが求められそうだ。

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