CSKA移籍へ!仙台FW西村拓真が明かすエース石原直樹から学んだこと
仙台時代の西村拓真。(C)SAKANOWA
昨季チーム最多得点を決めた動きの質。「そこは学んでいます」
J1リーグで今季11ゴールを決めているベガルタ仙台のFW西村拓真が、ロシア1部リーグのCSKAモスクワに移籍することで話が進んでいることが分かった。今週中にもロシアでメディカルチェックを受け、問題がなければ正式契約を結ぶ流れだ。
西村は1996年10月22日生まれの21歳。愛知県名古屋市出身で、178センチ72キロ。2015年に富山一高から仙台に加入して4シーズン目を迎える。
デビューイヤーはリーグ戦出場なし、2016年は12試合1得点、昨季は28試合2得点とほとんど無名と言える存在だった。しかし今季これまで川崎フロンターレの小林悠と並ぶ日本人最多11ゴール(24試合出場)を決めるなどまさにブレイク。センターフォワードとシャドーをこなし、ゴールに向かう貪欲さと「こだわりは持たず、どんな形からも点を狙っている」という柔軟さが上手く噛み合い、多彩な形からゴールをもたらしてきた。
「でも、もっと決めたい。決められるシーンはもっとたくさんあり、外している場面も多い。まだまだですよ」
そのように西村自身も現状には満足していない。
そんな西村が影響を受けた一人が、昨季浦和レッズから仙台に加入してチーム最多得点(10得点)&アシスト(4アシスト)を記録したFW石原直樹だ。「今季の得点数は少ないかもしれないが(4得点)、プレッシングなどチームのために走ることを怠らない欠かせぬ存在」と渡邉晋監督も認めるエースだ。
西村は石原の「動きの質」を学んできたと言う。
「(石原について)オフザボールの動きの質がとても高い。それに味方とのコンビネーションのところ。味方を生かすプレーであり、さらに自分が生きるための動き方をしていて、そこは学んでいます」
前線からのプレッシングを怠らない。献身的に最前列から守備を支える。そんな彼を生かそうと、チームメイトもパスを出す。今季の西村もまたチームのために、より走ることで味方の信頼を得て、多くのゴールを決める好循環を生んできた。
本田圭佑が4シーズン在籍したことでも知られるCSKAは、1部リーグ6度の優勝を誇る。ただ最近2シーズンは2位止まりで、覇権奪回を目標に掲げる。欧州チャンピオンズリーグに出場できるのも魅力。21歳の西村が成功のキッカケを掴んだそのスタンスで、これからのキャリアをも切り開いていけるはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI