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【横浜FM-鹿島】名古への後方タックル“疑惑の判定”、なぜ主審とVARはノーファウルと判断したのか?

鹿島の名古新太郎。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA

エドゥアルドがマイボールにしたところへ飛び込んできた、と捉えたか。

[J1 23節] 横浜FM 4-1 鹿島/2024年7月14日19:30/日産スタジアム

 J1リーグ23節、横浜F・マリノスが前半終了間際に相手ミスから同点に追い付くと、後半3ゴールを奪って、鹿島アントラーズに4-1の勝利を収めた。横浜FMは4連敗でストップ。鹿島は2位から4位に転落した。

 この試合の開始6分、鹿島は濃野公人のスルーパスから抜け出した名古新太郎が相手ペナルティエリア内で、エドゥアルドの後方からのタックルを受けて転倒するシーンがあった。

 エドゥアルドがボールを奪い切り、試合はそのまま続行。スローインとなったあと、川俣秀主審はVAR(上村篤史氏)とも交信。ビデオを確認するOFRにはならず、当初の判定通り「ノーファウル」のままプレーが再開された。

 VTRで確認すると、エドゥアルドがスライディングに行き、振り上げた左足が名古の左ヒザあたりに接触。名古を倒して、その左足でボールを奪い切っている。

 おそらく主審、あるいはVARによっては、エドゥアルドのファウルが取られていた可能性はある。

 ではなぜ、主審とVARは「ノーファウル」と判断したのか。

 可能性として最も高いのは、濃野のパスに反応したエドゥアルドが態勢的にマイボールにしていたところへ、名古が飛び込んで来た――そのように判断したことが考えられる。その視点から見ると、確かに名古よりもエドゥアルドが優位な状況にあったようにも解釈できる。

 とはいえ、エドゥアルドの左足がボールより先に名古のヒザを蹴り、しかもその足でボールを奪い切っているのだ。そのあたりの状況を整理し、VARが主審に客観的事実を伝えきれていたのかどうかは疑問が残る。

 基本的には、サッカーでは主審の判定がまず尊重される。それでも今回のように“明らかな間違い”の可能性を、VARオペレーションルームが確実に主審へ伝達できていないことも考えられる。事実をしっかり理解し合えたうえで、主審がノーファウルと判断したならば問題ないのだが……。

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 その他にも、この試合では、判定が試合展開に影響を及ぼしていった。そういった点では、やや後味の悪い一戦になってしまった。

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