引退する那須大亮が浦和に熱き助言「誰のせいにするとかではなく」「大きくなるチャンス」
天皇杯で優勝し、歓喜の輪に加わる那須大亮。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
プロ18年、浦和で5年間プレー。外から見たレッズに感じること――火を起こせ。
[天皇杯 決勝] 神戸 2-0 鹿島/2020年1月1日/国立競技場
ヴィッセル神戸のDF那須大亮が1月1日の優勝を果たした天皇決勝のあと、リーグ14位に低迷した浦和レッズに向けてメッセージを語ってくれた。
「(浦和の)アジアチャンピオンズリーグ( ACL )の決勝は観ました。今年のレッズは我慢してどこかで点を狙うというサッカーをしていました。今は変革期だと思います。中心選手の年齢は上がってきています。そこをどのように乗り越えるのか」
「それは、もちろんレッズに限った話ではないと思います。ただ、いろんなことにチャレンジして、いろんなことを受け止め、前に進んで行かないといけない時期に差し掛かっていると思います。そういった時は必ずあるので、誰のせいにするとかではなくて、監督、選手、サポーターが同じ方向を向いて、同じ目標を持ってやっていくことが、必ず大事になります」
そのうえで、那須はこのピンチを、どのようにチャンスに変えるかをポイントに挙げた。
「今は逆に言えば、大きくなるチャンス。その瞬間、その年はキツイことがあるかもしれない。それは人と同じ。ただ必ずそういう期間は必要。必要な痛み。その時に何を感じられるかだと思います」
そして「火」を例えに、次のように続けた。
「いろんな形があって、僕は火の起こしどころという例えをするんですけど、小さい火がたくさん起これば大きな火になる。
その火の起こし方は人それぞれ。
僕は何かを伝えることを重要視していて、それがサッカーに生かされてきた。だから、言うことに対し思いを乗せてきました。それは僕のやり方。
例えば関根(貴大)であれば、その動きやガムシャラに行くことで火を起こせる。それぞれの火のつけどころ。ただ、それは100パーセント以上でやらないと起きない。それを起こすキッカケは、気付ける選手が伝えること。
チームが良くなるうえでそれは必要で、何が正解かはない。個性のなかで良くするために、何をしないといけないのか。苦しんでいる選手がいれば、そのためにどのような言葉を投げかけてあげればいいのか。それを常に考えることが大切になると思います」
こうしたメッセージが、どのように届くか。心に火をともすことができるのか。奮い立つことができるのか。それが連動していくのか。那須は一枚岩となる大切さを強調していた。