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【神戸1-0名古屋】「選手生命を脅かす」マッシモ監督が激怒!米本の脛をサンペールが踏み付けたがノーファウルに

名古屋のフィッカデンティ監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

治療を受けてピッチに戻ったものの69分で交代に。

[J1 29節] 神戸1-0名古屋/2020年9月30日/ノエビアスタジアム神戸

 ヴィッセル神戸が元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタのゴールを守り切り、名古屋グランパスに1-0の勝利を収めた。神戸は3連勝、三浦淳寛体制になって2連勝だ。一方、名古屋は白星と黒星を繰り返す“オセロ”が7試合連続で続き、勢いに乗れずにいる。

 この試合のあとの記者会見で、名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督が質疑応答の前、「私から少し話をさせてください」と言って、31分の米本拓司へのセルジ・サンペールのプレーについて「選手生命を脅かす」と厳しく指摘した。

 スコアレスで迎えた31分、神戸が最終ラインからビルドアップするなか、中盤でボールを受けたサンペールに米本がチェックにいく。するとサンペールが米本の脛を足裏で踏みつける形に。主審はファウルを取らず、そのままプレーを続行させた。が、米本が倒れて立てずにいるのを見て笛を吹き、試合を一旦中断させた。米本は治療を受けて戦列に戻ったものの、69分に交代を余儀なくされた。

 フィッカデンティ監督は次のように言った。

「サンペール選手に米本選手が踏まれましたが、選手生命が終わってしまうかもしれない、かなり良くないファウルでした。決して意図的ではなかったはずですが、意図的かどうか関係なく、ファウルはファウルとして、相手に大きなケガをさせたのであれば、それなりの処分を受けなければいけないはずです」

 指揮官の指摘は続く。

「審判が4人いて、もちろんVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が採用されていないので、見えないところもあるでしょう。ただ今回は、誰も見ていなかったのであれば問題です。どういったゾーンで、そのようなファウルが起きていたのか。本当に失点しないためにやむを得ず選択したのでもありません。なんでもない場面です。米本があのようなケガを負わなければいけないゾーンではありません。そのようなことが起きたことは、もっと伝えていただきたい。選手がケガをしてしまいました、で終わりにしてはいけない事象です」

 アフターファウル気味の危険なプレーがやや目立ってきている。先日、柏レイソルの戸嶋祥郎が大ケガを負ってしまっただけに、マッシモ監督も選手を守るために神経を尖らせる。

「TVでご覧になっている方は、VARがあるように、自身で確認できると思います。なぜ、退場にならないのかと思っているのではないでしょうか。ルールはルールとして、運用してもらわなければいけません」

 何より――米本は名古屋がさらに上位に向かうためには不可欠な戦力だ。球際に立ち向かうファイタータイプの選手がその球際で報われないようなことがあってはならない。イタリア人監督は、ファウルはファウルとして正当に裁いてほしいと改めて訴えた。

「米本はケガに苦しみ、何度も乗り越えてきた選手です。そのあとプレーを続けましたが、当たりどころが幸いした、となるかもしれませんし、実は大きなケガをしていた、という可能性もあり、そこはまだ分かりません。ただし、ルール通りにジャッジしていただきたい。全選手の安全を守るためにも、そこは周知してほしいです」

 次戦は10月4日、名古屋はアウェーで浦和レッズ、一方の神戸も敵地で横浜F・マリノスと対戦する。

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[文:塚越始]

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