武藤雄樹のインサイドハーフ起用が浮上。「怖さを出したい」と浦和低迷打破への一手になるか
低迷打破へ。武藤のインサイドハーフ起用はあるか?(写真は昨年のACL決勝アル・ヒラル戦より) 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
中断期間中にチャレンジ。磐田戦で今季初ゴール&初勝利を狙う。
今季これまでウイング(サイドハーフ)で起用されてきた武藤雄樹が、この中断期間にインサイドハーフにもチャレンジし、ゴール前への積極的な飛び出しから多くのチャンスを作り出している。チームはこれまでリーグ4節を終えた時点で2分2敗と勝ち星なし(通算3得点5失点)の17位に低迷。4月1日のアウェーのジュビロ磐田戦での起用法が注目されるが、浦和の”ナンバー9”のゴールでチームを上昇気流に導きたい。
「浦和に来てからずっとプレーしてきたシャドーと近いポジション。堀さんが就任してからも最初は中(インサイド)でプレーしていました。やりやすさは感じています。あとはどれだけ自分が良いプレーを見せられるかに懸かってきますね」
武藤はそのようにウイングとはまた異なるインサイドハーフでの役割に意欲を示す。もちろん、どのポジションでもチームのために走ること――ハードワークは一切厭わない。
「与えられたポジションで特長を出していきたい。中に入ればどんどんスペースに顔を出して、ボールを引き出すことが大事になります。慎三さんや1トップの選手に上手く絡んで、追い越す動きからゴール前に顔を出すことは僕の特長の一つ。そういったプレーを出していければと思います」
武藤がそのポジションでプレーした場合、求められるのは攻撃に厚みを加えること。そのための”注意点”も理解している。
「あまり下がりすぎずプレーしようと思います。元々下がってボールを散らしたりするタイプではないし、どんどんゴール前に入っていく怖さを出せたらいいと思っています。なかなかチームで点が取れずにいるので、僕もゴールを狙っていくし、そうやって貢献したいです」
今季これまでリーグ戦は全試合で先発している。しかし4試合ノーゴール。ナンバー9が渇望しているのは、やはりゴールだ。
「上手くいっていないときは思い切ったプレーが減り、どんどん悪い方向に行きがちです。しっかりこの中断期間中はみんなで練習できましたし、チームが一つになり積極的にできればいいと思います」
まずはチームのため。そのためにもゴールを狙う。果たしてインサイドハーフで起用されるのか。先発か? それとも切り札か? 起用法も注目点だ。武藤雄樹が浦和の初勝利のため、貪欲にゴールを狙う。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI