【浦和アジア4強の真実】『83分』の円陣。一体何が話し合われたのか?

浦和がACL4強進出。槙野智章と抱き合い笑顔を浮かべる鈴木大輔(中央)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

鈴木大輔「最後、全員で同じ絵を描けた」。

[ACL 準々決勝-2nd] 上海上港 1-1 浦和/2019年9月17日/埼玉スタジアム2〇〇2
※2試合トータル3-3、浦和がアウェーゴールルールでベスト4進出

 アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準々決勝・浦和レッズ対上海上港(中国1部リーグ)の第2戦(セカンドレグ)、1-1で迎えた83分だった。アディショナルタイムを含めると、残りあと10分というタイミングだった。

 西川周作、鈴木大輔、長澤和輝、橋岡大樹、柴戸海、槙野智章、岩波拓也、橋岡大樹……浦和の選手たちがペナルティエリアの前で集結する。槙野が声を掛けて円陣を組んだのだ。

 このあとどのように戦うか――もちろん事前に話し合い、ミーティングでもチェックしていた。ただ、最近のリーグ戦とルヴァンカップでは、ここぞという時に失点を喫してきた。ACLのベスト4に進む。ただ、その唯一の目的を達成するために、改めて全員で確認し合った。

 一体、何が話し合われたのか? リベロでフル出場した鈴木は次のように説明した。

「ラスト10分、80分すぎて1-1。(2戦トータル同点だが浦和がアウェーゴールでリードするなか)このまま『逃げ切る』というメンタリティではなく、『これまで通りの流れで、前へ出る時は出よう』と。ただし、前にプレスを掛けに出るけれども、サイドで時間を作れる時は、そこで時間を使ってもいい。『全体で改めてコンパクトにして戦い抜こう』と、全員で意思統一しました。もちろん、みんな分かってはいたのですが、一旦あそこで集まり、槙野くんを中心に、それをやることで意識を一つにできました」

 限られた時間のなか、そこまで具体的に話をしたという。実際、高い位置へプレスを掛けることで、「嫌がるようなポジションには入れさせず、自分たちの間合いでプレーすることができました」と鈴木も振り返っていた。

「(大槻)監督も今日のテーマに『意思統一』を挙げていました。最後、全員で同じ絵を描けたと思います」

 鈴木は頷く。

 逃げ切るのではなく、ベスト4を自分たちで掴み取りに行く。確かにその思いは、浦和のほうが上海上港より一歩上回っていた。そのわずか「一歩」の差ではあったが、それが大きく、そして明暗をくっきりと分けた。Jリーグでは7戦勝ち星なしと結果を残せずにいるが、その低迷を脱するヒントもそこにある。

 2万8533人が訪れるなか、埼スタ一体となって掴んだアジア4強への切符。大袈裟かもしれないが、2019シーズンの浦和にとって分岐点にもなり得るような、あの83分の円陣だった。

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[取材・文:塚越始]

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