【浦和】ACL4強進出! 阿部勇樹がサポーターに誓う「ズラタンがあの時言ったように」
ベスト4進出を果たし笑顔でチームメイトとハイタッチをする浦和の阿部勇樹(22番)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「この”熱さ”を、天皇杯とリーグ戦に持ち込まなければいけない」
[ACL 準々決勝-2nd] 上海上港 1-1 浦和/2019年9月17日/埼玉スタジアム2〇〇2
※2試合トータル3-3、浦和がアウェーゴールルールでベスト4進出
アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準々決勝・第2戦(セカンドレグ)の浦和レッズ対上海上港戦、浦和のMF阿部勇樹が途中出場からラスト約10分間ピッチに立ち、試合を締めるクローザー役を担い、同大会で優勝を制した2017年以来のベスト4進出に貢献した。
浦和の背番号22が83分、関根貴大と代わってピッチに立つ。1-1で逃げ切る――という大槻毅監督のチームへのメッセージでもあった。
「まずしっかり守りながら前から行こうという共通意識を持って、今回はできました。ただ、最近の戦いで1点リードしているなか、こうした戦いができたかと言うと……。だから、今回のようなスタジアムの”熱さ”を天皇杯とリーグに持っていかないといけない。このスタジアムの雰囲気を作ってくれたサポーター、それに応えようとした選手たち。それを、どの試合でもやらないといけない」
9月6日に38歳になったチーム最年長の阿部は試合後、そのように言った。
「ここ埼玉スタジアムで、2017年にズラタンが『浦和レッズの本当の姿をお見せしよう』と発言してくれたことがあった。果たして今、ここ埼スタでやる時、それができているかと言われたら、全ての試合で――とは言い切れないのかもしれなかった。今日のような、点を取るところは取りに行って、守る時はみんなで体を張り、チームのために走って。やっぱり、そういった部分が結果に結びついたと思う。それをACLに加えて、天皇杯、リーグ、1試合1試合見せていかないといけない。そういうチームであり、クラブでなければいけない」
阿部は自分自身に言い聞かせるように、そう語った。
そして、サポーターに対して、阿部らしく語りかけた。
「なかなか笑顔で帰らせられずにいる気持ちはあります。ただ、その中でもこうして毎試合、毎試合、本当に精一杯応援してくれて、今日も『熱く戦ってくれているな』と、感じ取ることができました。だから1試合、1試合、笑顔でみんなが帰れるように。負けた時はみんなしかめっ面しているから……お互いにね。勝った時は笑顔で一周できる。今回も試合には勝てなかったけれど、目的だった次のステージに進むことができて、喜びを分かち合えた。(この熱さを)次につなげないといけないですね」
決して満足はしていない。むしろ、ここからが本番だ――。そう言っているようだった。
「一体感を持って続けていかないといけない。下を向いていても仕方ないから。チャレンジあってのカバー。そのチャレンジ&カバーの気持ちを大切にしたい。試合のなかで、もっとそういった気持ちを見せられるように。毎試合やっていければいいと思う」
阿部勇樹はそのように静かに熱く誓った。
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[取材・文:塚越始]