【浦和】岩尾憲が解析する対川崎「守備の整理」、察知した「危険の芽」│FUJI FILM SUPER CUP 川崎に2-0勝利
「FUJI FILM SUPER CUP 2022」試合後の記者会見に応じる浦和レッズの岩尾憲。協力:Jリーグ
「どこを通されればOKか、どこを通されればダメージを与えられてしまうのか」
[FUJI FILM SUPER CUP] 川崎 0-2 浦和/2022年2月12日13:35/日産スタジアム
Jリーグ開幕到来を告げる「FUJI FILM SUPER CUP 2022」、浦和レッズが江坂任の2ゴールで川崎フロンターレに2-0の勝利を収めた。
徳島ヴォルティスから加入した岩尾憲は4-4-2のボランチで先発フル出場。状況に応じて、川崎の4-3-3対策で左MFに入った伊藤敦樹も加わる3ボランチ気味で対応することも。その布陣で厳しいプレスをかけつつ、岩尾がボールをさばく形を作り出して、試合中に流れを掴み返すことにも成功した。
この勝利は、岩尾の大きな一歩になった。
「僕にとって、浦和レッズで初めてとなる公式戦でした。リーグ優勝した川崎さんと、昨年天皇杯で優勝したピッチに立っていない自分がいました。ただクラブから期待されていることを含め、個人的な楽しみ、不安、そしてプレッシャーもあったなか、ここで一つ勝てたのは自分にとって、大きな勝利になりました」
随所で3ボランチ気味に対応する守備が、この川崎戦でまずまず機能し、無失点に抑えることができた。その点について、リカルドのブレインは次のように語る。
「川崎さんはボールを保持するのが非常に得意なチーム。まず守備のところで、どこにボールを通されるのはOKで、どこに通されてはダメージを与えられてしまうのか。そこは整理されていました。
(伊藤を含めた3人の位置取りについて)お互いのポジショニングを見て、前半は柴戸選手が前へ出ていく形で、一方、自分も前へ出て(ジョアン)シュミット選手のところを消しにいくシーンもありました。
ボールを保持する際、3人のバランスを崩さず、僕がセンターバックのサポートに入ったタイミングで、自分の使っていたスペースを伊藤選手に使ってもらうアイデアを持ち、3人の距離感を非常に大事にしようと思ってやっていました」
そのような補完関係に、岩尾は一定の成果を感じ取っていた。
また、67分、選手が傷んで倒れていた時、岩尾はピッチサイドでリカルド監督のところへ行き、かなり話し込んでいた。
前半のプレスは「概ねハマっていた」ものの、後半は川崎も修正を施してきた。そして岩尾が谷口にプレスをかけた際、左サイドを使われて脇坂泰斗にパスが入った場面があった。
「そこから危険なシーンを招きました。前半と同じような行き方をした時、相手がそれを利用してチャンスを作ってきたワンシーンでした。この行き方をすると危なく、少し変えたほうがいいのでは、という相談に行きました」
リカルド・ロドリゲス監督はそれを察知していて、選手交代することで対応すると答えたという。それを受けて岩尾はひとまず前へ行きすぎず対処するようにしたそうだ。
岩尾の目線から語られる興味深いピッチで起きていた現象と駆け引き。結果的にそこで耐えしのぎ、カウンターから江坂の2点目も決まった。
ただし押し込まれいた時間も多く、そのあたりをどのように受け止めていくのか。そのあたりを岩尾も課題と捉え「みんなの共通理解を深めていきたい」と語る一方、「(自分たちで修正するようなことはなく)概ね上手くいっていた」とも受け止めていた。
いずれにせよ、開幕1週間前、一つ貴重な2022年の試金石になる勝利を手にできたのは事実だ。
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[取材・文:塚越始]