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【横浜FM】遠藤渓太が覚醒への今季初ゴール「これだけ出て無得点、すごく情けなかった」

横浜FMの遠藤渓太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

「自分が決めて前線の負担を減らせれば、さらに上位に進める」

[J1 19節] 横浜FM 3-1 浦和/2019年7月13日/日産スタジアム

 まさに待望の一撃――。横浜F・マリノスのFW遠藤渓太が浦和レッズ戦、今季リーグ初ゴールを決めた。リーグ18試合目での1点目。ただ、遠藤は試合後、歓喜を爆発させるようなコメントを口にすることはなかった。むしろ淡々と冷静に……。

 立ち上がりからホームチームが主導権を握るものの、ゴールをこじ開けられない。1本のみではあるが逆襲からピンチも招いた。そんななか38分、敵陣で左サイドバックのティーラトンがボール奪取に成功。持ち上がって丁寧なパスを受けた背番号11が、左足を振り抜いて先制点を奪った。チームとし攻め抜いて、こじ開けてみせた。

 18試合目での「1点目」。アンジェ・ポステコグルー監督から能力の高さと度胸を買われ、これまで11試合連続で先発起用されてきた。

 試合後の遠藤の表情からは、歓喜よりも安堵のほうが強く感じられた。

「ここまで試合に出てノーゴールっていうのは、すごく情けなくもあったし、みんなにすごく助けてもらいながら、ここまでリーグ戦を戦ってきたつもりです。(前線の)3人に支えられてきて、その3人の負担が減れば、もっと上位にも進めると思います」

 シーズン序盤の縦へのドリブル突破は強力だが、周囲との連動性がいまいち……という状況は、もう過去の話。厚みのある攻撃のなかで、その突破は間違いなく横浜FMの崩しのポイントになっており、こうしてゴールが決まるのは、必然と言えたかもしれない。

「(ボール奪取した)ブンちゃん(ティーラトン)からいいボールが来て、珍しくすごくいいところにボールを置けて、そこからシュートを打ち切れて。まあ……あのように打ち切れることは、これまでもありましたが、今日はそれが入ってくれました。いい時間帯であり、ようやく点を取れました」

 少し自虐気味。ただ、ホームで勝利を収められたこともあり、喜びを噛み締めているようだった。

「よく言われますよね、『遠藤っていいけど、点が取れないよね』って。自分でもそう思っていましたし、難しい時期を過ごしてもきました。ただ、そういう時にもチームメイトが支えてくれて、何も言われないよりも、良かったですし。チームメイトとサポーターの皆さんの力のお陰です」

 そのように21歳のアタッカーは、背中を温かく支え、時に熱く押してくれたたくさんの声援に感謝していた。

 もちろん、これが出発の1点目になる――。リーグ優勝を現実のものとするためには、遠藤がさらに脅威を増し、ゴールを奪いきることが条件となってくる。横浜FMの洗練されたスタイルの中で、そのゴールに向かう貪欲さやガムシャラさは、間違いなく重要なファクターだ。

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[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI

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