【パリ五輪】なぜ熊谷紗希がPKキッカーに? 池田監督が理由を明かす「フランスでプレーし、一番ふさわしかった」。なでしこジャパン、ブラジルに劇的大逆転勝利
熊谷紗希が同点PKを決める!写真:早草紀子(C)Noriko HAYAKUSA
2011年女子W杯の米国との決勝戦とは逆方向へ突き刺す!
[パリ 五輪 GS C組 第1戦]日本女子代表 2–1 ブラジル女子代表/2024年7月28日24:00(現地17:00)/パルク・デ・プランス
パリ・オリンピックの女子サッカー・グループステージ(GS)第2戦、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)が、後半アディショナルタイムに熊谷紗希のPK、谷川萌々子の衝撃のループ弾で、ブラジル女子代表に2-1の大逆転勝利を収めた。
前半にも日本はPKのチャンスがあったものの、エースストライカーの田中美南のキックは力なくGKロレナにキャッチされていた。
そして0-1とリードされた90+2分、谷川のドリブルの仕掛けから相手のハンドのファウルで得た日本にとってこの日二度目のPKのチャンス。池田太監督が指名したキッカーは、キャプテンのチーム最年長である33歳のDF熊谷だった。
極度のプレッシャーがかかる緊張の場面、熊谷は鋭いショットを向かって右へ突き刺してゴール! 日本は同点に追い付き、そしてこのあとの谷川弾につなげた。
熊谷のPKと言えば、2011年のドイツ・女子ワールドカップ(W杯)の決勝アメリカ戦が思い出される。日本の最後5人目のキッカーとして突き刺したのとは、今回、逆方向へと蹴り込んだ。その映像の記憶もあっただろう……ロレナはその方向(熊谷から向かって左)へ飛んで賭けていた。
池田監督は熊谷にPKキッカーを託した理由について、「フランスの地で彼女はプレーしてきましたし(※2013-21年までオリンピック・リヨンに在籍)、最後の重要なところでの”持っているもの”も含め、彼女が一番頼もしくふさわしく、決めてくれると思っていました」と明かした。
田中がPKと決定機を決め切れずにいただけに、暗雲は立ち込めていた。しかし、ここで、なでしこの様々な時代を支えてきた熊谷が豪快に決め切ったことで、日本は「自信」と「勇気」を間違いなく手に入れた。
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ブラジルと勝点3で並んだ日本は7月31日24時(8月1日0:00)から、GS最終のナイジェリア戦(勝点ゼロ)に臨む。勝てば準々決勝進出を自力で決められる。