【東京V】上位決戦を制した秘訣は「レアンドロ・ドミンゲス対策」
チェックにいく内田。東京Vは横浜FCのキーマンだったレアンドロ・ドミンゲス(40番)を封じることに成功。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
3位・横浜FCの連勝を4で止めるとともに、勝点55で並ぶ。新人の藤本寛也が守備で意識したこととは?
[J2 32節] 東京 V 2-0 横浜FC/2018年9月8日/味の素スタジアム
東京ヴェルディが最近4試合を3勝1分と勝点を積み上げ、暫定ではあるが3位横浜FCと勝点55で並び、首位の町田、2位の松本とも勝点5差とした。
「2-0になったあと、守備の意識が働きすぎて、逆にボールにいけずラインが下がってしまうことが多かったが、それでも比較的蹴られている回数の割には、ダメージを受けずに済みました」
試合後にそう振り返ったのは右ウイングで先発した藤本寛也だ。この日の勝因として、今季東京Vユースから昇格したルーキーは、守備面で次のことを意識したと言う。
「レアンドロ(・ドミンゲス)選手が(前線から中盤の深い位置まで)結構、落ちてくるので、そこの間にできたスペースを防ぐところは気を付けました。あとは高い位置まで来ていた、対峙するウイングバック(武田英二郎)へのケアも心掛けました。それに前線として、(リベロのカルフィン)ヨン・ア・ピン選手のところへしっかりプレスに行くこともできていました」
バイタリティ溢れる19歳は、その3選手への配慮を怠らなかったという。実際、この日のレアンドロ・ドミンゲスには、1本惜しいシュートを放たれたものの、その他のあらゆる場面で「自由」を与えず、横浜FCに危険な位置で起点を作らせなかった。結果、横浜FCの連勝を4で止めることに成功した。
「うちの3バックと守備時の3トップがバシッとハマるので、そこは良かったと思います」と、藤本も良い守備からリズムを掴んでいたと明かす。
アジア大会に主力を派遣したJ2クラブの多くが成績を落とすなか、東京Vだけが渡辺皓太不在の3試合を黒星なし(1分のあと2勝)で切り抜けた。この日も、疲労など考慮して帰国したばかりの渡辺をベンチ外に”温存”しながら勝点3を掴んだ。さらにベンチにはアラン・ピニェイロがいて、今夏獲得したレアンドロも徐々にコンディションを上げてきているという。そして新加入の泉澤仁が早々にフィット。チーム全体が底上げされてきており、シーズン終盤、さらに猛威を振るう存在となってきそうだ。
文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI