斎藤知事批判、地上波テレビの報道を北村弁護士が斬る「傲慢極まりない! 国民をめちゃくちゃ馬鹿にしている」
兵庫県の斎藤元彦知事。 (Photo by Toru Hanai/Getty Images)
「『自分たちは正しかった』という、マスコミの意図が透けて見えてきます。えげつない」
失職を経て兵庫県知事選に当選した斎藤元彦知事陣営の選挙運動について、広報業務を請け負ったというPR会社に報酬を支払ったのは、「買収」による公職選挙法違反にあたるのではないかと元検事と大学教授が12月2日までに告発状を神戸地検と兵庫県警に送付した。さらに同PR会社の社長も告発されたという。
弁護士の北村晴男氏が12月9日、ユーチューブチャンネル「真相深入り!虎ノ門ニュース」で、この件に関して解説。地上波テレビ放送の番組で「誤りもあるSNSの発信は、法律で規制すべきだ」と報じていることを受けて、「オールドメディアは傲慢極まりない。国民をめちゃくちゃ馬鹿にしている」と断罪した。
北村氏は衆院議員である松原仁氏(無所属、東京26区/目黒区・大田区)とともに出演。斎藤氏への告発については、このあと警察・検察の判断に委ねれば良いとして、ただし一方同陣営の主張する「『71万円』でポスター制作のみ依頼した」という額は、過去の例を踏まえると適正だろうという見解を示した。
また松原氏は公職選挙法は70年前に制定され、そこから変化して条文が加えられてきた前提を説明した。そうしたなか原則である、より多くの人が選挙に参加する――ことが最も重要であり、SNSやインターネットという基本無料のツールを活用しての投票への働きかけで、このの兵庫県知事選のように投票率がアップしたのは「選挙の本質から言うと、これは正しいんです」と強調し、次のように続けた。
「それ自体は否定できない。70年前のオールド選挙(のままのルール)でぶった切り投票率を下げたら、それは悪です。多くの人が選挙に参加してこそ、政治はダイナミズムを持ちます。多くの人が参加するために、このツールをどのように使うのがフェアなのか。そのルール作りの議論を政治家のみならず有権者代表とともに考えなければいけません」
そして北村氏はオールドメディアであるテレビや新聞では、むしろ彼らが権威を失墜させている現状に危機感を持ち、SNSを規制すべきだ、という声が叫ばれていることに、言論統制などへの危機感さえ募らせていた。
「『斎藤さんって悪い人だ』という報道を洪水のようにしたものの、当選してしまった。しかし(告発を受けて)いやいや、やっぱり俺たちは正しかったんだ、刑事告発までされたと報じ、『自分たちは正しかった』という、マスコミの意図が透けて見えてきます。えげつないです」
松原氏が「オールドメディアはあくまでも主導権は俺たちにあると、とにかく圧迫したいようにしか見えない」とその報道のスタンスに疑問を投げ掛ける。北村氏は「まったくその通り」と賛同し、「オールドメディアは盛んにSNSを規制すべきだと盛んに言い出しています。これは傲慢極まりない」と斬った。
「(かつては民主党政権誕生など世論形成への力を持ったが)いまや兵庫県知事選さえコントロールできなくなった。そこで言い出したのがSNS規制。国民をめちゃくちゃに馬鹿にしているんですよ」
SNSの情報には、事実もあれば、独自の見解、誤解、誤りなどもある。ただ、そういった様々な情報から取捨選択し、それぞれが判断する。そういった情報収集の入り口であるとともに、より具体的な政策を知り議論できる場にもなっている。
同時に北村弁護士は「ただ、(オールドメディアの一部の人は)その危機感を察して、巻き返そうとしているようには感じます」ともフォローしていた。
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テレビや新聞といったメディア内部でも、各世代間などで、さまざまな議論と動きが起きているに違いない。とはいえSNS規制など、時代の逆行とも言える主張には、確かに目を光らせ留意したいところだ。