×

急転、斎藤元彦知事。元検事の若狭弁護士は公選法違反の疑い“濃厚”と見解、「捜査機関が何も動かず終わってしまう可能性は少ない」

兵庫県の斎藤元彦知事。 (Photo by Toru Hanai/Getty Images)

ユーチューブチャンネル「若狭勝のニュース塾」で問題点を整理し、詳しく解説。

 失職を経て兵庫県知事選挙に当選した斎藤元彦知事だが、広報業務の委託を受けていたコンサルタント・PR会社が、斎藤知事を”応援”していたとネットで喧伝。この運動が選挙活動前さらに期間中にかかり、その内容が公職選挙法違反に該当するのではないかと疑いが浮上している。

 そうしたなか弁護士の若狭勝氏が11月23日夜、自身のユーチューブチャンネル「弁護士 若狭勝のニュース塾」で、「【斎藤知事】公選法違反の疑い濃厚、失職の恐れも!」と題した動画をアップした。どのあたりに公職選挙法違反の可能性があるのか分かりづらいなか、元検事の立場からも丁寧に解説するとともに見解を示し、さっそく多くの視聴者が訪れている。

 若狭氏は動画のなかで、次の5点を整理して説明している。

一つ目:どんな犯罪なのか?

二つ目:なぜ問題が浮かび上がったのか。そのキッカケは?

三つ目:具体的な犯罪内容は?

四つ目:今後の展開は?

五つ目:最終的にどうなるのか?

 若狭氏は検事時代、公職選挙法違反の捜査を「数限りなくしてきました」という経験の持ち主でもあり、「特に買収に対し厳しいスタンスで臨んでいる」と強調している。

 そのうえで、前日の動画で兵庫県知事選の騒動は一度ノーサイドにすべき……と言ったことを撤回。斎藤氏とコンサルティング会社の活動は、「運動買収」「有料ネット広告禁止」の罪の疑いにかかるのではないかと、自身の考えを示している。

 詳細は動画の中で語られているが、公開されたネット戦略が基本的に、「斎藤さんを当選させようとして行っている」として、選挙運動に当たると見る。となれば、「有料ネット広告禁止」に該当するというのだ。

 ちなみに「政治活動」であれば違法にはならない。そのため、どこからが公職選挙法の対象となる「選挙運動」になるのか線引きが難しいとされる。

 斎藤知事側は同社にポスター制作を発注したものの、SNSなどの戦略的立案は依頼していないと語っている。果たしてそれが事実であるかどうか、若狭氏は斎藤氏側から支払われた「金額」が一つポイントになると見ている。

 そして今後について、告発される、あるいはすでに捜査機関が内偵を進めている可能性もあるそうだ。そして選挙運動などの買収に対する検察の目は厳しく、「捜査機関が何も動かず終わってしまう可能性は少ない」と展望していた。

 この選挙に関わった経理、選挙管理委員会への報告などもチェックされ、また、仮に斎藤知事本人が決定を下していなかったとしても連座制の適用もあり得るという。万が一、罰金刑になると公民権が原則として停止され、知事職に就いていられなくなる場合もある。

関連記事>>【兵庫県知事選】斎藤元彦氏再選にホリエモン「限られた既得権益を守るのではなく、本当に市民の側に向いた政治家が求められている」

 最終的な判決が出るまで4年以上かかる可能性もある。ただし疑惑が深まっていき、世論の動向によっては、知事職を継続するのは難しくなるとも見ている。そうなると、知事選が再び行われる――という、まさに二転、三転の展開もあり得るそうだ。