「女子アナが消える」フジテレビと中居正広問題、茂木健一郎氏が一石を投じる
フジテレビ (C)SAKANOWA
ユーチューブで動画公開、むしろ女性陣は『女子アナ像』に合わせざるを得なかったのではないかと問題提起。
女性スキャンダルを受けての騒動により、タレントの中居正広さんが芸能界引退を発表し、さらにその被害女性を巡るフジテレビのコンプライアンス対応が社会的に問題視されている。そんななか脳科学者である茂木健一郎氏が1月27日、ユーチューブチャンネル『茂木健一郎の脳の教養チャンネル』で、「日本から『女子アナ』が消える日」と題した動画をアップした。タレント的な扱いをされてきた、いわゆる「日本の女子アナウンサー」は、この騒動を受けていなくなっていくのではないかと展望した。
「今いろいろな状況を受けて、女子アナウンサー……いわゆる女子アナがクローズアップされています」と言う茂木氏は、世間の風潮により、そういった存在が作られてきたのではないかと問題提起する。
メディアの世界では、そもそも安藤優子さんなどは「キャスター」「ジャーナリスト」としての地位を確立してきたと振り返る。一方、日本的な「女子アナ」というカテゴリーがあることに違和感を抱く。
大学や短大のミスコンの入賞者が採用される傾向が強い。とはいえ、メディア志望の人たちが全て世間で言われる『女子アナ』を目指しているわけではないのでは? と茂木氏は疑問を呈すのだ。
過去に共演してきた住吉美紀さんを「女子アナ」と見たことはないと強調。また今回問題となっているフジテレビは、上層部の過去の発言など話題になるが、近年は容姿が優先されて採用されてきたとも言われる。
茂木氏も「『〇〇パン』など流行らせていましたよね」と振り返り、フジテレビのアナウンサーと共演経験があると振り返る。あくまでも個人として接してきただけに、そのように”女子アナ”と一括りにする状況と、世間(メディア)から求めらている像に女性陣が合わせようとしてしまう事象が、このフジテレビ問題を契機に変わっていくのではないかと見ていた。
つまり、ジャーナリスト的な視点から仕事をしたい人まで、女子アナのカテゴリーに吸収されてきたのではないか。むしろジャーナリストやキャスターという立場がしっかり確立されていけば、茂木氏は「いわゆる『日本的な女子アナ』は消えていくと思います。消えて全然困らないし、志望する女性たちはメディアの中で活躍していくと思います」と指摘した。
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ある意味、今回の問題の根幹に関わる一つのテーマかもしれない。多くの人が抱いてきた、ある意味、アイドルやタレントのように扱われてきた女子アナ像の違和感を指摘している。