【浦和】「なりすましサポーター」が湘南戦でトイレ扉破壊など違反行為。警察に委ねる境界を決めたい
浦和レッズのサポーター。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
無期限の入場禁止処分を科して念書も押収。
J1リーグの浦和レッズは3月7日、2月26日にレモンガススタジアム平塚で開催されたJ1リーグ3節の湘南ベルマーレ戦で、試合終了後にレモンガススタジアム平塚の場外トイレの扉を蹴る破壊行為と試合運営を妨げる行為を再三繰り返した人物に対し、浦和のアカデミーとレディースを含む全試合の無期限入場禁止処分を科したと発表した。
浦和のクラブスタッフが当日にこの人物の違反行為を確認したうえで事情聴取を実施。昨年5月16日付で発表していた迷惑行為を行う「浦和レッズサポーターになりすました人物」と同一人物であった。クラブは「浦和レッドダイヤモンズサッカー試合運営管理規定」「Jリーグ試合運営罰則規定」により処分を決定。違反行為を認めた本人と今後一切の違反行為を行わない旨の念書を押さえた。
3月2日にコンプライアンス委員会を行って、この決定が下されている。クラブによると、この人物は昨年5月以降も競技運営本部スタッフにマークされ、違反行為とは認められないものの複数回にわたり浦和レッズサポーターと深刻なトラブルになりかねない要因となっていた。そのため対応方針について弁護士や警察に相談していた。
今回の試合当日も来場が確認された時点で、競技運営本部スタッフが対話を実施。スタッフ一人と警備員一人が、常に目視できる範囲内で動向を確認し、警戒にあたっていた。
クラブは「そのように対策を施しながらも、試合運営管理規定違反行為の発生を未然に防ぐことができず誠に申し訳ございません。観戦ルールを守って試合観戦をされていた浦和レッズのファン・サポーターの皆さまへも大変申し訳なく感じております。浦和レッズは引き続き、違反行為発生防止施策への注力と、違反事案に対する適時適正かつ毅然とした対応を徹底し、安全・快適で熱気ある満員のスタジアムの実現に全力を投じてまいります」とコメントしている。
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例えば現在のドイツ・ブンデスリーガでは、器物破損など刑事罰に該当する疑いのある違反者については、ただちに会場で警察が対応している。日本とは警察官のスタジアムへの動員数が明らかに異なるものの、クラブの「コンプライアンス」を超えた行為に関しては、警察に委ねる判断ももはや必要だろう。今回も浦和がクラブとして対応を続けるべき案件か難しい面もあり、現地スタッフにも限界はあり、その境界は明確にしたい。