大迫勇也と鈴木優磨のバトル、主審の判定通り「ノーファウル」が妥当 │鹿島 vs 神戸
神戸の大迫勇也(左)、鹿島の鈴木優磨(右)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA 松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
コンタクトの判定は“主観”も影響すると説明、「線引きをして、ここからがファウル、ここからはノーファウルとは一概には言えません」
3月29日にカシマスタジアムで開催されたJ1リーグ7節の鹿島アントラーズ – ヴィッセル神戸戦の19分、神戸の大迫勇也に対し鹿島の鈴木優磨がチャージしたバトルは、判定通り「ノーファウル」が妥当――。
日本サッカー協会(JFA)審判委員会が4月23日、2025シーズン3回目のレフェリーブリーフィングを行った。これはJリーグの試合中に起きた実例をもとに、判定に関する同委員会としての、ある意味“統一見解”が説明される機会である。今季話題になってきた「コンタクト」を中心に10のシーンとともに説明があった。
一つの例として、鹿島 – 神戸戦での大迫vs鈴木のバトルが挙げられた。
コーナーキックの流れから、大迫がセカンドボールをペナルティエリア付近で回収。絶妙なトラップから小池龍太を縦に抜くと、切り返して中へ持ち込む。
その背後から鈴木が足を伸ばしてボールに触れ、そこでコンタクトがあったが態勢を立て直した大迫がキックを放とうとすると、再び鈴木の体が絡んだ。
大迫は転倒し、ファウルをアピールしたものの、「ノーファウル」としてプレーが続行された。
JFA審判委員会の佐藤隆治マネージャーは次のように説明した。
「映像でコマ送りしていけば、最後の体の位置関係が、私たちで言う前後関係になっていますが、お互いボールにチャレンジしているなかで接触が起きています。
ファウルかどうか判断する場合、相手を倒すだけの『影響』があったかどうかを考えます。そこには主観が入ります。線引きをして、ここからがファウル、ここからはノーファウルとは一概には言えません。
最後は前後関係になっているかもしれませんが、ノーマルスピードで見た際、レフェリーがきちんと見極め、『接触はあるけれど、ファウルとはしない』と判断した。それは十分アクセプトできると考えられます」
そのように主審の判断は妥当だったと説明があった。
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ノーファウルになるコンタクトの一つの基準になるとも言えそうだ。とはいえ、似たようなケースが全てノーファウルになるわけではない、ということも強調された。