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「社会的に抹消するぐらいの効果」中居正広さん反論、古市憲寿氏がフジ第三者委員会の問題点を指摘。人権侵害…両者を尊重すべきだったのでは?

フジテレビ (C)SAKANOWA

『カンテレニュース』で第三者委に対し、「全利害者の人権が守られるべきで、その努力義務を怠った批判は免れないです」。

 様々なコンプライアンス問題を炙り出した株式会社フジ・メディア・ホールディングスの依頼で設置された第三者委員会の発表した報告書だが、中居正広氏はこのほど弁護団を通じて、元社員である被害女性に「性暴力があった」「人権侵害があった」と認定されたことについて反論し、証拠の提示などを求めた。

 この中居さんサイドの反論を受けて、社会学者の古市憲寿氏が5月17日、『カンテレ・ニュース』に出演し、第三者委員会の発表内容は中居さんを「社会的に抹消するぐらいの効果があった」と疑問視。フジテレビのコンプライアンス問題が、本来最大のテーマであり、被害者の「人権」を訴えるのであれば、中居さんの人権もまた尊重されるべきだったはずだと指摘した。

 古市氏は次のように、今回の反論を巡り、第三者委員会の発表を疑問視した。

「第三者委員会は裁判所ではない。裁判所ではないにも関わらず、(今回の発表は)中居正広という一人の人物を社会的に抹消するぐらいの効果があったと思います。そこは弁護士団の反論に対し、第三者委員会は真摯に向き合わなければいけないのかなと思います」

 他の出演者は、本来フジテレビのコンプライアンス問題を追及することが目的であり、二人の間で何があったかは主題と関係ないはずだったと、そもそもの問題点を整理。また一方、今回の中居さんサイドの発表では、「性暴力という日本語から一般的に想起される暴力的・強制的な性的行為の実態は確認されなかった」としているが、決して二人の性的なトラブルを否定しているわけではない。男女間で起こり得ることだが、両者の認識に「ズレが生じている」とも指摘があった。

 とはいえ、被害女性が中居さんと会ったあと、すぐに社内の産業医にかかって診断を受け、さらに社内で相談したものの無視され、翌月にはPTSDと診断された。その流れからも、問題があったのは事実とも見ていた。

 ただ古市氏は、だからこそ中居さんの尊厳も守られるべきだったと主張した。

「報告書の過剰な正義感によって一個人を貶めたのも、やはりそれもまた人権侵害だと思います。人権は被害者とされる人、加害者とされる人、あまねく適用されるべきで、誰かの人権を守るために、誰かの人権を害してはいけない。全利害者の人権が守られるべきで、その努力義務を怠った批判は免れないです」

 WHO(世界保健機関)の定義する“性暴力”は広義にわたる。その曖昧さに課題があるという声もある一方、現代はそのように誰もが性加害者となり得るという意識を持つ必要性があるのではないかとの意見もあった。

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 本来は、被害女性から受けた相談を上司が相手にしなかったこと、その女性に対して中居さんの依頼で社員が見舞金100万円を持参したこと……など、フジテレビの対応に問題があった。中居さんのみ名指しでスケープゴートにされた事態は、確かにこのフジテレビ問題をより複雑にしてしまった。