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バイエルンのコンパニ監督が語るクラブW杯「二つの側面」メリットとデメリット。キャンプとは違う

クラブW杯での記者会見に臨むバイエルンのヴァンサン・コンパニ監督。 (Photo by Alex Livesey - FIFA/FIFA via Getty Images)

ヨナタン・ター、トム・ビショフ新戦力の融合はプラスも。

 アメリカ・クラブ・ワールドカップ(クラブW杯)は6月26日でグループステージ(GS)を終えて、ノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進む。SLベンフィカに次ぐC組2位でベスト16進出を決めているバイエルンのヴァンサン・コンパニ監督は記者会見で、この新方式になったクラブW杯について「二つの側面がある」として、メリットとデメリットについて語っている。

 まず、メリットとして、バイエル・レバークーゼンから獲得したヨナタン・ター、トム・ビショフを、さっそく実戦で起用できて、チームに融合できたことを挙げる。二人の重要なタレントが、生活をともにすることで一気にチームメイトとも溶け込めた。

 一方、シーズンを終えたばかりのヨーロッパのクラブチームにとっては、「新シーズンに向けた準備の時間が減ってしまう」というデメリットを挙げる。

 今回、チーム全員が帯同しており、ある意味、キャンプ(合宿)を行っているように捉えられる。しかし現実は、目の前の試合に勝つことだけが求められる事実上のトーナメント戦である。キャンプのように全体の底上げに時間を費やす、というのとは、状況が異なるというのだ。

「代表チームの大会と、全く異なる経験をしています。私たちは互いをよく理解し、基本的な連動もできているわけです。その細かい点を詰めていくことにはなります。これが代表チームであれば、よりベースの部分にも集中できます。全く新しくて、興味深い経験です」

 そのようにコンパニ監督は指摘する。

 つまり、試合に出るチャンスのない(少ない)選手にとっては非常に難しい、モチベーションの維持をどうするか……。そういった点など、短期集中の大会で巨額の賞金がかけられているという状況下、指揮官自身も全く新しい経験をしているということだ。結果的に、休暇と新シーズンへの準備が短くなるのはデメリットだという。

 UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝を果たしたパリ・サンジェルマンのルイス・エンリケ監督は厳格で知られる。しかし、このクラブW杯、ロスアンゼルスを拠点に、練習や遠征の際の「集合時間を守ること」だけを規則として、あとは「フリー」としている。

 それ以外の時間帯は、クラブ指定以外のホテルを活用してもよく、家族、友人と一緒にいてもいいという。せっかくアメリカに来ているのだから、というほぼボーナス期間……バカンスのような位置づけにしているのだ。

 ワールドカップ(W杯)の熱狂と異なり、何より選手たちはすでに気心が知れている。仲の良し悪しもきっとあり、共同生活でより息苦しく感じてしまうケースも十分想定される。

 もう一つの合宿――という期間に思われたが、欧州のクラブにとっては、シーズン後であり、その必要性もない。正しいかどうかはまだ言えないが、パリSGのような方法は一つのモデルになるかもしれない。

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