【サッカー】新ルール『キャプテンオンリー』詳細、「GKが主将の場合は?」 JFA審判部が解説
日本代表のキャプテン遠藤航。その腕章はより意味あるものに。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
キャプテンのコミュニケーション力、ルール理解度も大切な要素に。
日本サッカー協会(JFA)審判委員会(扇谷健司委員長)は7月2日、都内のJFAハウスでレフェリーブリーフィングを行い、JリーグやWEリーグでは8月から採用される国際サッカー評議会(IFAB)によって更新された2025-26シーズンの新ルールについて、メディアを通じて説明を行った。
佐藤隆治 JFA審判マネジャー(Jリーグ担当統括)が、競技規則の文章だけでは分かりにくい部分など、映像を使って詳しく説明。ファン・サポーターにも正しい競技規則(ルール)の理解のもと、観戦を楽しんでほしいと呼び掛ける。
より大きな変更点は「キャプテンオンリー」「GKの8秒ルール」である。細かいところでは「ドロップボール」も、再開の方法が若干変わる。
世界統一のルールであり、すでに現在開催されているFIFAクラブ・ワールドカップ(クラブW杯)で導入されている。Jリーグでは8月から、WEリーグでは新シーズンから順次採用されていく。
このうち「キャプテンオンリー」は、近年、判定を巡り主審に抗議する、選手が複数人で審判を囲む場面が後を絶たず(むしろVAR導入後に、より顕著になっていると言われる)、それにより、プレー再開までの時間が掛かるなどの支障が出ていた。
まずポイントは、「各チームから主審に話しかけられるのは一人のみ(通常はキャプテン)。話しかける際、常に敬意を持って接しなければならない」と強調されている。つまり主審に話し掛けられるのは一人、ということが原則となる。
ただし、基本的には「競技者と主審との通常のやり取りは認められている」として、不満や対立を回避するためにも「引き続き重要」と、選手と審判員の通常のコミュニケーションの重要性も第一に記されている。
そして例えばファウルを巡りエキサイトなどした際、主審に話し掛けるのが絶対にキャプテンでなければならない、というわけではない(例えば、そのプレーに直接関与した選手など)。もちろん、そのキャプテンが厳しい言葉、暴言を吐けば、イエローカードなどの対象になる。
またゴールキーパーがキャプテンの場合、キックオフのコイントスまでに、もしも試合中に説明が必要な場合、フィールドプレーヤーの誰がその役割を担うのか、審判団に伝えておけばいいということだ。
もしも、そのキャプテンが負傷などでプレー続行できない場合、または外国籍選手のため込み入った状況説明が必要になる場合などは、審判の裁量に委ねられる。
つまり、プレー時間への影響を最小限にする、審判に対する尊厳を大切にする、そういった原則のもと、この「キャプテンオンリー」はまず運用されていくことになる。
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ただキャプテンのコミュニケーション力、さらにはルール理解度は、少なからずチームにとっても大切な要素になっていく。国際大会に出場するチームの主将は、英語力も必須になる。