【鹿島】柏に劇的勝利、GK早川友基が語っていた全員の『行こう』という気持ち
鹿島のGK早川友基。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
ボールがタッチラインを割ると、鈴木優磨も田川亨介もすぐに切り替えた。そして――。
鹿島アントラーズのGK早川友基は3-2の劇的勝利を収めた7月20日の柏レイソルとの激闘で、PKの大ピンチでは小屋松知哉との駆け引きで勝り失点を阻止した。さらに90+4分、ロングフィードから、結果、松村優太のゴールにつなげてみせた。全員の『行ける』という気持ちが生んだ勝利だったと確かな好感触を得ていた。
直前には絶体絶命のピンチで、久保藤次郎と間合いを詰め、シュートミスを誘発していた。そして2-2で迎えたアディショナルタイム、「背後のあるスペースに(鈴木)優磨くんと(小川)諒也くんがいたので、そこを目がけて蹴りました」と、早川は高い位置へ蹴り込んだ。
ボールはつながらかったが、敵陣の深い位置でラインを割る。すると、鈴木優磨、田川亨介はすぐに切り替えて、このキックをチャンスにしようとボールサイドに向かった。
「やはり疲れもあったと思います。ただボールが流れたあと、あの位置からだと、プレッシャーをかけやすくなり、全員で『行こう』とコンパクトにして、追い込むができるかな? と思いました」
柏のスローインを受けた古賀太陽に、田川がプレスをかける。すると古賀のGK小島亨介へのキックが短くなり、そこに詰めていた松村が奪い切り左足で突き刺した。
「結果、功を奏しました。もちろんラッキーな面はありましたが、マツ(松村)もよく準備していたと思います。あれをゴールできるのと、2-2で終わるのでは大きな差だったので、本当に良かったです」
味方に不満をぶつけるようなネガティブな行為より、そのエネルギーと時間さえ活用しゴールを目指そう。チームの勝利のために選手もファン・サポーターも全員が一つになる鹿島らしいスタジアム全体も“前向き”な雰囲気に包まれたなか、生まれた決勝弾だった。
鹿島がその上位対決で勝利を収め、8月の攻防に突入する。6日は天皇杯4回戦でアビスパ福岡とメルカリスタジアム(旧カシマスタジアム)で、そして10日のJ1リーグ再開ゲームはFC東京とアウェーで対戦する。
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東アジアE-1選手権で日本代表デビューを果たし優勝に貢献した早川は、一段と頼もしさが増している。鹿島のタイトル獲得のミッションへ、背番号「1」がゴールに鍵をかけ、隙あらば得点をお狙う。