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【インタビュー】望月重良(SC相模原代表)「クラブ誕生10年、情熱の旅路 #1~#3」

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JリーグJ3SC相模原望月重良

サカノワスタッフ

 難病との闘いも原動力のひとつに。次の10年は――

川口能活の2018シーズンの契約更新も発表された。(C)SAKANOWA

――法律や相模原市の事業計画などにも精通し、「クラブ代表」「社長」として板についてきた感じですね?

 いや、全然(笑)。僕はずっとサッカーしかやってきませんでした。それに経営者やクラブのオーナーになりたいと思っていたわけではなく、職業を選択としたと言うより、自分の生き方として、たまたまそういう立場になったということです。相模原にチームを作ることに、まず興味を持って、やりがいを感じて、それが社長だった、代表だった。就職活動のように、何々になりたい、というところと出発点も違っているわけです。

――なるほど。ベースには、サッカーへの情熱があると。

 そうです。職業を選んだというより、自分の生き方として、情熱の向かうままに歩んできました。

――その情熱の源には、望月代表ご自身が闘病していることも関係していたのでしょうか(国の難病に指定される特発性大腿骨頭壊死症で、リハビリを続けながら現役最後はプレーしていた)。

 正直、その点はチーム立ち上げのときの原動力になりました。僕はドクターストップがかかってサッカー選手としてのキャリアを終えざるを得ませんでした。その後、自分の本を出版する機会をもらい(『もう1回蹴りたかった』/ぴあ出版)、全国からたくさんの感想の手紙をいただきました。

 それは励みになりました。僕は健常者ではないので、ある部分ではハンディキャップを背負っています。そういった立場だと、どうしてもネガティブな考えに陥ることもあります。でも、いや、そんなネガティブなことばかりではないんだという思いが、チーム立ち上げの強い力となったのは確かです。

――負けん気は現役時代と変わりませんね。

 あとはやり遂げようという信念です。それは2008年に立ち上げたときも、今も変わっていません。この先もきっと続いていきます。

――2017年のホーム最終戦(G大阪U-23戦)には多くの方が来場しました。相模原にサッカーは根付いてきていますね。

 県3部リーグでは土の固いグラウンドでプレーしていました。あれから10年後、このような光景が広がっているとは正直想像していませんでした。でも1年、1年、負けてはチャレンジして、そうしながら一人ひとりと歩んできました。5000人近くの方が来てくれたこの光景。まさに10年の成長の証だと思います。

 次の10年、このクラブはJ1にいるという夢を抱いています。そこに向けて、地域の皆さんと歩んでいきたいと思います。

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取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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