【大宮始動】塩田仁史がチーム最年長に。「道しるべになる」
今年37歳を迎える塩田が大宮のチーム最年長に。J1復帰を誓った。(C)SAKANOWA
ベテランから若手まで、ベクトルをひとつに上へ向けるため。
大宮アルディージャが1月14日、NACK5スタジアムで始動した。無料開放されたスタンドにはファンやサポーター2300人が訪れ、選手たちにさっそく声援や拍手を送っていた。
今年37歳になるGK塩田仁史は、チーム最年長になった。在籍4年目、2015年のJ2時代を知る数少ない選手のひとりだ。
「これまではバンさん(播戸竜二、無所属)の影に隠れていたけれど、あまりそこは意識せず、逆に俺ができているのにできていなければ、その選手は何をやっているんだということになる。スタッフも替わり、『やろう』という思いが伝わってきた。だから年齢的には上になる俺が、いろんな姿勢を示していきたいです」
もちろん塩田は「昨シーズンの最後は試合に出られなかったので、まず公式戦のピッチに立つというところから」と、一からポジション争いに臨む。一方、「若い選手が台頭してきて、これからシーズン中に浮き沈みがあり、山あり谷ありになる。そういうときに俺が道しるべになれたらいいなと思います」と、ピッチ内外でチームを支えつつ、牽引する役目を担う覚悟だ。
それは何より、今季は「方向性=ベクトル」が大宮の鍵を握ると考えるからだ。
「ここ3年でメンバーがガラッと変わった。石井監督は、昇格してJ1で安定した戦いのできるチーム作りをしていきたいと言っていました。俺もまさに同じ思いで大宮に来ました。それがなかなか実らずにいて、選手のシャッフルをして、また一からチームを作っていかといけない。
だからこそ、若手、中堅、ベテランが融合し、いい方向に持っていけるようにしたい。昨季はいろいろあって、ベクトルが一つに合わずにいたところがあった。今年はこれまででのシーズンの中でも、もっとも未知と言える。だから、しっかりベクトルが上に向くようにやっていきます」
大宮の最後の砦といえる存在だ。「年寄りになっちゃったよ」と塩田は額の大粒の汗を拭って笑った。始動日を迎える新鮮な気持ちは、15年前のルーキーのときと変わらない。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI