プロ33年目のカズを「例外だ。彼ほどの選手は知らない」と、61歳ブラジル人指揮官が絶賛
タヴァレス監督はカズについて「特別扱いはしない」と語った。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
70年代からプレーし、13か国27チームを率いてきた横浜FCのタヴァレス監督が語った三浦知良評とは――。
61歳になるブラジル・リオデジャネイロ出身の横浜FCタヴァレス監督は、70年代からバスコダガマやポルト、フライブルクなどでプレーし、82年から13か国27チーム(ヨルダン、ベトナム、ハイチの代表も含む)の監督を務めてきた。これまで実に数多くの選手を見てきたわけだが、「カズは、例外だ。彼ほどの選手は知らない」と舌を巻く。
タヴァレス監督は昨年10月、J1昇格へわずかな可能性を残すなかで就任したが、4試合で1勝1分2敗とラストスパートを掛けきれず、結局、10位に終わった。そのなかで指揮官は三浦知良を2試合で起用、最終節の千葉戦では16分間の出場機会を与えた。
「練習に常にしっかり取り組み、毎日変わらないコンディションでメニューをこなしてくれる。こうしている間にも、グアムでひとりキャンプをしているそうだね。
時差ボケが抜けきれず、今朝4時に起きてテレビをつけると、『BBC』でカズの特集をしていたんだ。50歳を越えているにもかかわらず、25歳と同じメニューをこなし、フィジカルをキープしている。私もカズほどの選手は、これまで知らない」
そのようにサッカーの世界に40年以上身を置く指揮官はカズを評価していた。
「ただ、特別扱いはしない。ほかの選手との平等な比較であり、年齢など関係なくカズ本人を見て評価をする」
むしろ、それはプロの世界を生き抜いてきたカズ本人も望んでいるはずだ。プロ33年目、今年51歳になるキングが、サッカーやスポーツの世界に止まらず多くの人の期待を受けて、再びゴールと勝利を目指す。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI