重戦車フッキとの肉弾戦に勝った家長昭博。しかし「紙一重だが、小さいようで大きな差」と上海上港戦の敗因を分析
川崎で2年目を迎える家長。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
そろそろ、その左足からゴールが生まれそうな気配が一段と漂う。
[ACL GS1節] 川崎 0-1 上海上港/2018年2月13日/等々力
川崎フロンターレがホームで臨んだ、アジアチャンピオンズリーグのグループステージ初陣の上海上港戦。右サイドハーフで先発した家長昭博は、左サイドの大久保嘉人とポジションチェンジするなど変化を付けながら、自ら仕掛けられる貴重な攻撃のキーマンとなって、ピッチを縦横無尽に駆けて何度か好機を作り出した。圧巻は後半、ルーズボールに対し、重戦車のようなフッキとの肉弾戦(=フィジカルコンタクト)で競り勝った場面。スタンド中から感嘆のため息が漏れ、家長は颯爽と2次攻撃につなげてみせた。
しかし終わってみればノーゴールで0-1の敗戦。家長は「試合は常に紙一重。点を取ることができない間に、失点してしまった。そこが小さいようで大きな差」と、明暗を分けた差について指摘した。また、フッキを含めた上海上港上港全体のハードワークにも、「フッキが守備をするために下がってくるなど、空いているスペースがなかった。まだ開幕して間もないこともあるが、ボールタッチやトラップで少しずれる場面が多く、自分を含めチャンスを生かせなかった。そこはもっと力をつけていかないと」と、小さなミスを重ねたことを悔やんだ。
中国の強豪相手に縦への突破からのクロス、そしてカットインからチャンスを生んだ。家長自身もコンディションが上がっていると実感しているという。次節は2月20日、アウェーで韓国の蔚山現代と対戦する。今季サガン鳥栖から豊田陽平を獲得しており、注目のカードとなる。連敗だけは許されない状況のなか、そろそろ家長の左足からゴールが生まれそうな気配が一段と漂い出している。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI