W杯予選前に欧州強豪と腕試し。欧州組が加わり高倉監督は「細部を詰めながら、新たな発見を楽しみに」と抱負
アルガルベカップのメンバーを発表し、抱負を語った高倉監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
アルガルベカップに挑む23人を発表、リヨンの熊谷紗希ら現在の”最強メンバー”が揃う。移動や時差対策など来年の本番も見据える。
2月28日から3月7日まで開催されるアルガルベカップに挑む、なでしこジャパン(日本女子代表)のメンバー23人が発表された。熊谷紗希(リヨン)、山根恵里奈(ベティス)、横山久美(フランクフルト)の欧州組3人が合流。シアトル・レインの宇津木瑠美も招集されており、現在の”最強メンバー”で臨む。国内組では有吉佐織が復帰した一方、籾木結花の招集が見送られた。
日本は2月28日にオランダ、3月2日にアイスランド、5日にデンマークと対戦する。
2月9日に行なわれたメンバー発表の記者会見で、高倉監督は4月に開催される女子ワールドカップ・フランス大会のアジア予選(女子アジアカップ、レバノン開催)を見据え、「チームを成熟させていく意味でも、しっかり戦おうというメンバーを選んだ」と選考理由を語った。
対戦相手について、「オランダは昨年のユーロ王者、デンマークは2位。アイスランドはW杯予選でドイツに勝っている。がっぷりよつに組んで戦える相手だと考えています」と、真っ向勝負を挑む覚悟だ。また、「海外組を久しぶりに呼べるので、細部を詰めながら、新しい発見を楽しみに、4月に向かって力強く戦ってきたい」とも意欲を示した。
昨年12月のE-1東アジア選手権で若手主体の北朝鮮に敗れ、優勝を逃した。選手も相当に落胆したという。ただ高倉監督はこれまでのチーム作りの過程から、次のように胸をうちを明かした。
「たくさんの親善試合や大会をしてきて、優勝しますと口にしんながら結果が伴わず、嘘ばかりついているなと思います。ただ経験させながら勝たせるところで葛藤はありますが、E-1東アジア選手権でチームが負けたことによって、選手が深く感じ取るのを目の当たりにして、以前の代表選手たちのように覚悟を持つというところを感じ、少し前へ進んでいる気がしました」
北朝鮮に喫した痛恨の1敗を、しっかり糧にできるか。今回はその再起への一歩を踏み出す大会にもなる。
「ワールドカップ予選という大きな試合が目の前に迫るなか、誰がどのような強さを示すのか期待しながら、常に勝利を目指して、選手とともに戦っていきたいです」
加えて2019年のワールドカップ本番を見据えたうえでも、欧州への移動や時差対策など、チーム全体として貴重な経験を積む機会にもなる。
文:サカノワ編集グループ