INAC移籍の田中美南がハットトリック達成「攻撃のための守備ができた」。次週、日テレと運命の一戦!

ハットトリックを達成したINACの田中美南。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

川澄奈穂美の復帰がターニングポイントに。

 INAC神戸レオネッサはなでしこリーグ、シーズン序盤苦しんだものの、理想の欠片を少しずつ集め、4勝2分1敗の勝点14で3位に浮上している。首位の浦和レッズレディースとは勝点4差だ。

 今季のINACは、98年度の横浜フリューゲルス最後の天皇杯制覇を成し遂げたゲルト・エンゲルス氏を監督に迎えた。戦力面では、2年連続MVP、4年連続得点王のFW田中美南を日テレ・東京ヴェルディベレーザから、キック力に定評あるMF阪口萌乃をアルビレックス新潟レディースから獲得した。

 しかし田中美南は「勝者のメンタルをチームで持っていきたい」と語っていたが、開幕からなかなかチームの調子が上がらない。そこに、アメリカ・ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグのスカイ・ブルー所属の川澄奈穂美が期限付きで、4年ぶりに復帰する。

 川澄の加入によって、「ガラッと空気が変わった」(田中)と、チーム内は活性化。活発な意見交換も見られるようになった。

 迎えた7節の愛媛FCレディース戦、主導権を握りながら随所でコンビネーションから崩し、ゴール前に多くの選手が顔を出す。INACはシーズン当初と明らかに異なる攻撃を見せ、5-0の大勝を収めた。

 ポイントは守備にあると田中は語る。

「前線と後ろがハマってない。プレスに行っても(他の選手と)合ってない感じがずっとありました。今日は(ボールの)取りどころがハッキリしていたので、攻撃のための守備ができて、一つになりました」

 田中はハットトリックを達成。その根底には徹底したプレッシングに向かうマインドがあった。

 先制点は18分、田中のパスを始点に、京川舞、杉田妃和、阪口萌乃を絡め、最後はエースナンバー9番がGKの前で足を伸ばして決めた。66分の2点目は岩渕真奈のスルーパスを、冷静にゲット。雷雨による40分間の中断後の83分、交代間際に増矢理花との連係からハットトリックを達成する。田中が磨いてきた技術を集結させた3ゴールだった。

「(阪口)萌乃さんとブチさん(岩渕)とはたくさん話しています。キックが上手な萌さんがボールを持ったら、自分も一番いい動き出しをしようと心掛けています。練習の中でもブチさんとも何かあったら話すようにしていて、それが今日の試合では上手く出ました」

 INACは今週末に球際の強さに定評のある新潟と対戦し、翌週には女王・日テレとの決戦を迎える。田中の言う“勝者のメンタル”は、女王を倒すことで確信へと変わっていくはず。何より田中はその日テレを飛び出し、新たな女王となるべくINACでの挑戦を選んだ。田中にとっても、INACにとっても、今シーズンを左右する大切な2週間をここから過ごす。

INAC神戸のスターティングイレブン。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
今季初ゴールを決めた京川舞。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
INACの岩渕真奈。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
INACの阪口萌乃。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
勝利を喜ぶゲルト・エンゲルス監督と中島依美。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

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[取材・文・写真:早草紀子]

Posted by 早草紀子

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