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【2011年のヒロイン】新潟L「10番」上尾野辺めぐみに惹きつけられて

新潟の上尾野辺めぐみ(10番)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

準決勝・浦和L戦、120+PK戦の死闘で見せたハートの強さ。

[皇后杯 準決勝] 浦和L 1(5PK3)1 新潟L/2020年12月24日/ サンガスタジアム by KYOCERA

 あと一歩だった。アルビレックス新潟レディースの上尾野辺めぐみは、浦和レッズレディース南萌香のPKが決まった瞬間、悔しさを滲ませながらも、どこかスッキリとした表情を浮かべた。

 新潟の堅守とカウンターの生命線であるキーパーソンは、とにかく走った。攻守が入れ替われば前線からいち早く駆け戻り、時にはインターセプトもする。

「しっかりと走り切ろうと思っていたし、最後PK戦で終わってしまったのは悔しいですけど、自分の中では悔いの残らない試合になりました」

 上尾野辺の言葉には説得力があった。

 新潟の背番号10の強みは、ボール奪取力とその切り替えから突破口につながるパスまでの一連の流れを作り出せるところ。さらに自らもゴール前に詰めてフィニッシュを狙える。

 同点ゴールも最後の折り返しを信じて走り込んで生まれたゴールだった。

「カウンター気味に右サイドで形を作ってもらってて、自分も(ゴール前に)走っていればボールが流れてくると感じていました。前の試合でもカウンターで得点を決めていましたし、理想の形でした」

 今シーズンは選手が多く入れ替わったが、この皇后杯はその若さがプラスに働いていると感じていた。

「(若い選手は)相手に対して苦手意識がないからスムーズに試合に入れる。自分たちでボールを動かそうという意思が伝わってくる」

「しっかり守備をしていれば得点はできるという自信もついてきた」

 準決勝の浦和レッズレディース戦。白熱の120分+PK戦、浦和の攻撃力を抑え込んだ新潟の堅守、新潟のカウンターに順応した浦和の修正力、双方の強みが余すことなく発揮された見応えのある一戦だった。その試合のなかで、浦和の厳しいプレスをかいくぐり続けた上尾野辺は、敗れたものの、この激闘のなかで最も惹きつけられたプレーヤーだった。

 そして新潟Lは2021年、日本女子初のプロサッカーリーグであるWEリーグの舞台に立つ。

アルビレックス新潟レディースは惜しくも皇后杯ベスト4で涙を呑んだ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

注目記事:【浦和L】運命のPK戦、GK池田咲紀子の笑顔に5人目のキッカー南萌香は表情を和らげて

[取材・文・写真:早草紀子]

 

Posted by 早草紀子

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