【浦和L】運命のPK戦、GK池田咲紀子の笑顔に5人目のキッカー南萌香は表情を和らげて
新潟Lとの激闘の末、PK戦を制しての決勝進出を喜ぶ南萌華(3番)、池田咲紀子(1番)をはじめ浦和Lの選手たち。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
新潟Lとの激闘を制し、29日の決勝はベレーザ戦。直近の対戦では敗れているだけに、「リベンジするには最高の舞台」。
[皇后杯 準決勝] 浦和L 1(5PK3)1 新潟L/2020年12月24日/ サンガスタジアム by KYOCERA
PK戦までもつれ込んだ皇后杯の準決勝、浦和レッズレディースがアルビレックス新潟レディースとの死闘を制して決勝進出を決めた。
浦和の猶本光が鮮やかにFKを決めたものの、24分に上尾野辺めぐみに同点ゴールを決められてしまう。それでも浦和がボールを丁寧につないだものの、最後まで新潟の堅守を打ち破れなかった。
新潟の一人目のキッカーが外した一方、浦和は順調にPKを成功させていく。
決めれば決勝進出という5人目のキッカーは南萌香だ。
明らかに緊張感を漲らせてポイントへと歩み出した。
GKの池田咲紀子はキッカー一人ひとりにボールを渡しながら声をかけていた。すると池田から笑顔でボールを託された南が、ふっと表情を和らげた。5人目のキッカー役は初めてだったという南だが緊張はほぐれ、思い切った力強いキックを放ち、「蹴った瞬間に入ったと思った」。
それでも南は警戒していたカウンターから失点を喫したことを悔やんだ。
「(カウンターの脅威は)分かっていたので悔しいですが、失点後はしっかり修正できました」
1失点を喫したが、その後は後半と延長30分間を含め、体を張って新潟の侵入を許さなかった。クロスバーをたたかれるヒヤリとさせられた場面も二度あったが、相棒の長船加奈とのCBコンビを中心に守り切った。
「120分戦っても体を張るところや球際の戦いで負けていなかった。そういうところで相手に勝っていたからこそ延長戦は無失点に抑えることができて、勝ち上がれました」
南はそのように勝因を挙げた。
決勝は前回大会の決勝で優勝をさらわれた日テレ・東京ヴェルディベレーザとの好カードとなった。浦和はなでしこリーグとの2冠、一方、日テレは大会4連覇を目指す。リーグ戦では1勝1敗だったが、10月11日の直近の対戦を2-3で落としている。
「リベンジするには最高の舞台だと思います。チーム全員で、全力で戦い、ベレーザを倒しにいきたいと思います!」
日テレはマイナビベガルタ仙台に4-1の快勝でファイナルに駒を進めた。ある意味、対照的な準決勝だった。
相手に不足はない。接戦を制した勢いを追い風に、南は雪辱を誓った。
決勝の浦和対日テレは12月29日14時から、サンガスタジアム by KYOCERAで行われる。入場無料だが、試合当日会場でQRコード経由、または手書き用紙での「個人情報入力フォーム」の提出が必須になる。
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[取材・文・写真:早草紀子]