菅野監督復帰、ノジマステラが女王INAC戦で見せた可能性。杉田亜未は「人とボールが動くサッカー」で生きる
攻め込むノジマステラの10番・杉田亜未。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
スコアレスで引き分ける。
WEリーグカップのグループステージ2節、ノジマステラ神奈川相模原はWEリーグ初代チャンピオンのINAC神戸レオネッサとスコアレスで引き分けた。
ノジマは素早い切り替えからボールを敵陣へと運び、リズムを掴んでいった。今季は初代監督の菅野将晃氏が4シーズンぶりに復帰。ノジマの“つなぐサッカー”を築いた指揮官の世界に新たに触れた選手も多いなか、杉田亜未は「人とボールが動くサッカー」と評した。
ワンタッチパスに走力を駆使したコンビネーションで好機を作り出していった。南野亜里沙の低いクロスに頭で合わせようと杉田が飛び込む。しかし、それでもINACの守備は今季も固く、ゴールを決めることはできなかった。
次第に主導権はINACへ。ドリブルでの打開、複数人が絡んだプレー、サイドアタックと、多彩な攻撃を見せる相手に対し、何とかクリアを続けるなど対抗し、スコアレスドローに持ち込んだ。
杉田は松原有沙との“Wキャプテン”に就く。昨シーズンは8年間在籍した伊賀GCくノ一三重でのなでしこリーグ優勝を置き土産に、WEリーグ後期からノジマに加入。チームにアクセントを加えて3ゴールを決め、なでしこジャパンの池田太監督の目にも止まり、代表復帰も果たした。セカンドボールの高い回収率、変化を生み出す展開力……先を読める10番・杉田は、菅野監督のスタイルにも合い、間違いなくノジマのキーマンになる。
しかし杉田は相手の反撃を警戒しすぎたと反省、「(ボールを)回しているだけでは相手は怖くない。やはり人数をかけていかないと」と課題を挙げた。
菅野監督は「始動してまだ2か月。INACとのインテンシティの差を肌で感じて、いい課題もたくさん出ました。ウチとしては引き分けは上出来です」と語った。11本ものCKを凌ぎ切り、INACの攻撃陣に決定的な仕事をさせなかった守備は自信を持っていい。攻撃面ではビッグチャンスになりかけた場面も作った。そこに上手くリスクをかけながら、トライ&エラーを繰り返していけば、突き抜ける、ここだ! というポイントが見出せるはずだ。
[取材・文:早草紀子]
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