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【なでしこ】認め合う二人のFW。田中美南が真っ先に駆け寄ったのが植木理子のもとだった

スウェーデン戦後、植木理子のもとへ真っ先に田中美南が駆け寄った。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

それぞれが4年前に味わった悔しさ、ともに今大会ゴールを決める。

 日本女子代表(なでしこジャパン)はオーストラリア&ニュージーランド共催の女子ワールドカップ、スウェーデン女子代表に1-2で敗れ、2大会ぶりとなるベスト4進出を逃した。

 日本の快進撃を支えた一つが、前線からの絶え間ないプレッシングだった。センターフォワードの田中美南(INAC神戸レオネッサ)、植木理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が、それぞれの特徴を出して前線を活性化させた。

 FW陣は互いを認め合ってきた。

 池田太監督は「“先に出る人”と“後から出る人”の違いがあるだけ」とも語ってきた。田中は冗談交じりにスタメンのFWは「消耗品みたいなものだと思っている」と笑う。スタートから起用された際は、「ちょっと出し切ってくるわ」とピッチに向かった。

「交代はバトンタッチ。誰が(ゴールを)決めてもチームの勝利につながればいいです」

 そう語った田中が、スウェーデン戦では先発で起用された。そして後半0-2になった直後、池田監督は田中に代えて植木を投入した。ただ「悔いのないように」(植木)思い切り放った79分のPKはバーを直撃。その後もチャンスに絡んだが、林穂之香の1ゴールのみしか返せなかった。

 試合後、田中はベンチコートを持って植木のもとへ駆け寄って行った。植木が背負っていた重荷を、誰よりも理解していた。

 4年前の女子W杯、植木はメンバー入りしながらもケガにより帰国を余儀なくされた。また田中は最終候補に入っていたが、そこから構想外となり落選した。その悔しさをぶつけて、そして日本に勝利をもたらす。二人にとって、それが今大会の目標であった。

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「この負けをここからのサッカー人生で取り返せるように頑張りたいです」

 大会中に23歳になった植木は、そう言葉を振り絞った。

植木理子。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
田中美南。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

 

Posted by 早草紀子

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