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【なでしこ】清家貴子、ブラジルから2戦連続ゴールも反省「シンプルに技術不足。練習あるのみです」

ブラジル女子代表との第2戦でゴールを決めたなでしこジャパンの清家貴子。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

ブライトンに渡って進化を遂げる。ゴールへ近づくごとに増す迫力、なでしこが放つ鮮明なカラーの一つに。

 なでしこジャパン(日本女子代表)の清家貴子は6月のブラジル代表との2連戦で、2戦連続ゴールを決めた。1-3、1-2といずれも敗戦を喫し、特に先発した第2戦は他にも彼女自身が決定機を創り出していただけに悔しさを募らせた。

 右MFで先発したブラジルとの第2戦、清家はドリブルを多用した。「立ち上がりはチームに勢いをもたらしたかったので、そのように前へ向かう選択を多めにしました」と、アクションを起こしてラインブレイクに成功。ブラジルの最終ラインを押し下げた。

 流れを生み出すと、左サイドバックの北川ひかるのクロスに飛び込み、籾木結花からのラストパスに合わせてシュートを放つ。32分には髙橋はなのロングフィードに反応した清家が、飛び込んでくるGKを交わして無人のゴールへシュート。“大決定機”だったが、枠の外に外してしまった。

「シンプルに技術不足。練習あるのみです」

 清家はそのように受け止めた。

 それでも後半開始直後のファーストプレーで、松窪真心とのワンツーで抜け出た藤野あおばのクロスを、清家がゴール前に飛び込んで合わせて、日本の先制点をもたらした。

「あおばが突破を仕掛けたら、積極的にペナルティエリア内に入り込もうと思っていました。本当に良いボールで、自分は触るだけでした」

 なでしこはそこから2失点し逆転負け。清家は63分に植木理子と交代している。ただ清家の敵陣背後を突く動きがなくなると、日本はさらに劣勢を強いられた。それだけ彼女の存在の大きさも改めて分かったと言えた。

 イングランドの三笘薫も所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのレディースに加わり、対峙する相手のスピードや強度に動揺することはなくなったという。

「スピードや強度面で、負けていないなと感じるようになっています。ブラジルに個人的にはそこまで強さを感じなかったのは、イングランドでプレーしてきたからこそだと思います」

 加えて攻守の切り替え、特に攻撃→守備のスピードと強度は大幅に上がった。ディフェンス面での貢献も見逃せなかった。

「イングランドでは速い選手が多い。スピードでは決して負けていなくても、相手に裏返されると、前を向いている相手に追い付けなくなる。だから、まずスピードを出させないことが大事。相手にできるだけ近づいていき、走らせないように、この1年やり続けてきました」

 ニルス・ニールセン監督の構想の一つとして、今後は清家のサイドバック起用もあり得る。

「今回はチームとして1対1やロングボールを多く使う戦いができました。負けてしまいましたが、1戦目と2戦目では内容がかなり違うし、成長できたと思います。個人的には最後のクオリティ面の課題が明確に出ましたし、しっかり持ち帰ります!」

 ゴールに近づくごとにパワーが増す清家の推進力は、なでしこジャパンの武器の一つとして鮮明なカラーを放つ。

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 ブライトンでゴールを積み重ねていく。課題と向き合う清家のそんな姿を楽しみにしたい。

Posted by 早草紀子