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【なでしこ】スター候補 20歳の谷川萌々子がブラジルとの第2戦へ人一倍燃える「“決めてくれそう” “なにかしてくれそう”と思われる選手でありたい」

ブラジル戦で先発したなでしこジャパンの谷川萌々子。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

第1戦では先発抜擢も、シュートを1本も打てず。

[親善試合] ブラジル女子代表 – 日本女子代表/2025年6月3日(現地2日)/ネオ・キミカ・アレーナ(ブラジル)

 なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は日本時間6月3日8時から、ブラジル女子代表との第2戦に臨む。初戦は1-3で敗れた日本だが、リベンジに燃えている。

 特に人一倍燃えている一人が、谷川萌々子だ。

 JFAアカデミー福島からブンデスリーガのFCバイエルン・ミュンヘンに加わり、1年目はスウェーデンのFCローゼンゴードへ期限付き移籍。ボランチながら得点王になると、今季2024-25シーズン、バイエルンに復帰した。するとレギュラー争いでは苦戦を強いられたものの、さっそくリーグ優勝を果たした。

 さらに、このブラジル遠征直前、ポルトガルで初めて開催された「ワールドセブンズフットボール」で、谷川は4ゴールを決めて、バイエルンの初優勝に貢献。得点王とMVPを獲得した。

 その勢いのまま臨んだブラジルとの第1戦、谷川は4-2-3-1のトップ下でスタメンに抜擢された。ただ、強烈かつ素早いプレッシングを受けてボールが思うように収まらなかった。

「特に前半はテンポが上がりませんでした……。もっとボールをキープして時間を作れれば、チームとして前進できると思います。(前線に)ロングボールが入った時の味方との関わり方、サポートの角度やスピードを、より意識してやりたいです」

 そしてチームとしても、谷川の武器を生かし切れずにいる。

 20歳になったスター候補は第1戦、1本もシュートを打てなかった。個性豊かななでしこジャパンの中でも、谷川の強みは強力かつ多彩なシュートと得点力である。これまでにも意外性のあるミドルやロング、破壊力満点の一撃でゴールネットを揺らし、チームに歓喜をもたらしてきた。

 その谷川が中盤で輝きを放てなかった。

 彼女自身は「自分のポジショニングの問題だと思います。そもそもシュートを打つためのボールの置き方や関わり方ができていませんでした」と反省する。

「ゴール前でボールを持てば“決めてくれそう”“なにかしてくれそう”と思われる選手でありたいので、まずゴールへの意識を最優先に持って、次の試合には臨みたいです」

 ニルス・ニールセン監督は、「多くの選手を試したい。第2戦のスターティングラインナップは7、8人変えるつもりです」と語っている。そう考えると、谷川の第2戦の出場時間は限られそうだ。

 谷川がなでしこジャパンで生きる道。まずその方向性が見出せる――そんなブラジル遠征にしたい。

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取材・文/早草紀子
text and photos by Noriko HAYAKUSA

Posted by 早草紀子