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浦和Lから衝撃の移籍『ベレーザ猶本光』が語った“二つの理由”

ベレーザに加入した猶本光。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「2年後のW杯、目指している」そして…。

 なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)にも選ばれてきた猶本光が、三菱重工浦和レッズレディースから日テレ・ヴェルディベレーザに移籍した。

 そして猶本は7月4日、ベレーザでの加入記者会見に臨んだ。

 なかなか結果を残せずにいた浦和Lを強豪へと押し上げ、安藤梢と並ぶチームの顔にもなった。そして大ケガを経て、なかなか出場機会を得られずにいたなか、移籍準備をしていることは知らされていたが、海外移籍を視野に入れているのだろうと思っていた。

 まさかのベレーザ移籍。まだ見慣れない緑のユニフォーム姿の猶本は、晴れやかな表情でその決断に至った二つの理由を語った。

「自分自身は2年後のワールドカップ(出場)を目指していて、今シーズンはAWCL(AFC女子アジアチャンピオンズリーグ)もありますし、そういう舞台でこの仲間たちと切磋琢磨していきたいです」

 猶本は29歳だった2023年のオーストラリア&ニュージーランド大会で自身初のW杯に出場し、初ゴールもマーク。しかしベスト8の壁は破れなかった

 雪辱を期したパリオリンピックの2024年、1月に左前十字じん帯を損傷。そこから代表入りの目標は遠のいてしまった。ただ、世界一への夢はあきらめていない。

 そしてもう一つは、WEリーグへの想いだった。

「ベレーザとは常に厳しい試合をやり合ってきた対戦相手から、力のあるクラブに移籍することは、大きなことを言うとWEリーグが盛り上がれば、という想いもありました」 

 前浦和Lの監督である楠瀬直木氏がベレーザの新指揮官に就任。「世界で戦えるチームを作る」とその未来予想図を聞き、猶本もその一員になりたいと考えた。

 もちろん、これまでいたベレーザの選手たちにもプライドがあり、ポジション争いも待っている。女王となった2024-25シーズンのチームは、若手主体だったが、猶本をはじめ、同じく浦和の主力であった塩越柚歩、復帰組みのINAC神戸レオネッサの土光真代、マイナビ仙台レディースの隅田凛……女子ACLに臨むこともあり、選手層を厚くしている。

 「(フライブルクへの)一度目の移籍は国も違うし、若さもあってワクワク感があった。今回はチーム内でも上から(年齢が)3番目になります。しっかり結果を残さないといけないという強い覚悟があります」

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 プレッシャーを力に変えて。猶本の決意のシーズンが始まる。

Posted by 早草紀子