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サラゴサ香川真司にドイツからオファー。しかし移籍先はスペインのみ希望

香川真司。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

その去就問題は「複雑化している」。5日、チームに合流。メディカルチェックとPCR検査を受けたあと練習に参加。

 スペイン2部リーグのレアル・サラゴサに所属する日本代表MF香川真司が9月5日、チームに合流する。ルベン・バラハ新監督のもと、すでにチームは始動しているが、香川は日本でのビザ取得のため許可を得て練習参加が遅れていた。メディカルチェックとPCR検査を受けたあと、チーム練習に合流する。

 総額44万ユーロ(約5500万円)と言われる香川の年俸だが、クラブは1部昇格を逃したこと、昨季のパフォーマンス、さらにクラブの財政事情を踏まえると、大きな負担になっているという。また、スペイン国外から好条件のオファーが届いていることもあり、香川に退団と移籍を強く推してきた。

 とはいえ、香川もある意味、これまで築いてきた地位や名誉以上に、幼少期からの夢だったスペインでのプレーを求め、昨季2部リーグであるサラゴサでの戦いを選択した。1年での1部昇格を逃したとはいえ、チームが15位から3位に大きく飛躍したのは、香川の存在もあったからだ。

 そうしたなかスペインメディア『アス』は9月4日、香川が望んでいるのはサラゴサでのプレー、またはスペイン国内への移籍のみというスタンスで、「去就についての問題は複雑化している」と伝えた。フロントは香川の年俸分で“3人”を雇えるとして放出を容認。また、サウジアラビア、カタールの中東勢のほか、ドイツからも“好条件”のオファーが届いていると伝えている。

 しかし、記事では「香川はなんとしてもスペインでプレーを続けたいと思っている。非常に問題は複雑化。スペインの1部、2部のチームで新天地を見つけられなければ、このアラゴンのクラブとの契約解除を拒否している」と、香川取り巻く状況が説明されている。これまでのところ、スペイン国内で香川の獲得に興味を持っているクラブはないということだ。

 コロンビア人FWフアンホ・ナルバエスの加入記者会見の席で、香川についての質問も出た。ラロ・アランテギ・スポーツダイレクターは「もちろんチームに枠があれば、監督に示す機会を与えます。ただ、メンバーの人数について整理しなければいけない状況にありますが、チームに貢献できる選手が揃っています。香川は私たちにとって重要な選手です」と語っている。

 残留しても問題ないというようにも受け止められるが……。一体、どのような落としどころを見つけることができるのか。ひとまず香川のスペインでの2シーズン目が、スタートを迎えようとしている。

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[文:サカノワ編集グループ]

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