開幕まで1週間、ビジャレアル久保建英の序列は?レバンテとの練習試合で初のフル出場、決定機を作る
ビジャレアルの久保建英。(C)Villarreal CF TV
岡崎慎司のウエスカとの初戦、スタメンがあるとすれば…。
[練習試合] ビジャレアル 1-2 レバンテ/2020年9月2日/シウダ・デポルティーヴァ・ビジャレアル
開幕を1週間後に控えたスペイン1部リーグ、ビジャレアルがレバンテUDとトレーニングマッチを行い、1-2で敗れた。レアル・マドリードからビジャレアルに期限付き移籍した日本代表MF久保建英はトップ下で先発、後半途中から左MFでプレーして、実戦で新天地初のフル出場を果たした。
ビジャレアルがプレシーズンに組んだテストマッチ最後の4試合目、久保は4-2-3-1のトップ下でスタート。状況に応じて右MFのサムエル・チュクウェゼとポジションチェンジしながら打開を試みた。
30分、久保の空けたスペースにチュクウェゼが入ってクロスを上げると、オフサイドぎりぎりで受けたパコ・アルカセルがボレーで叩き込み、ビジャレアルが先制する。しかし、その後1点を返されて、前半を終えた。
久保はビルドアップに加わり、ほとんどミスなくプレーし、チームに着実に順応していることを改めて示した。ただ、なかなか効果的な攻撃に絡めず、チュクウェゼと被ってしまうシーンも目立った。
選手を入れ替えた65分からは左MFにポジションを移す。するとドリブルで持ち込み、決定的なシュートを放ったものの……枠を捉え切れなかった。その後は見せ場を作れず、その間に1点を奪われて1-2で敗れた。
今回、スペイン代表の活動に参加している昨季チーム最多18ゴールを決めたジェラール・モレノ、DFのパウ・トーレスが不在に。また負傷により何人かの選手も大事をとって欠場した。
ビジャレアルは9月13日(日本時間14日1:30)、岡崎慎司の所属するSDウエスカとホームで、ラ・リーガの開幕戦を迎える。
久保は9月2日のレアル・ソシエダ戦(〇2-0)、トップ下で約65分間、右MFで約15分間プレーし、プレッシングから2ゴールに関与している。ウナイ・エメリ監督の意図する戦術の理解度が高く、公式戦でも出場のチャンスはシーズン序盤から得られそうだ。
ただ、開幕スタメンの座を掴めるかどうかはやや微妙な立ち位置にあると言える。
トップ下にはジェラール・モレノが入ることになり、右MFは今回も1アシストと結果を残したチュクウェゼが一歩リードしている印象だ。あり得るとすれば、この日約25分間プレーした左MFになる。
が、トップ下や右MFに比べると、周りの選手が入れ替わっていることもあるが、パフォーマンスの物足りなさは否めない。レフティはRCDマジョルカ、FC東京では右MFで結果を残してきた。そうしたなかで、エメリ監督は左MFでの適性をチェックしていたようだが、評価はいかに――。
現時点ではチーム内で、トップ下か右MFの控えの一番手、あるいは左MFで思い切って抜擢されるか――という立ち位置にあると言えそうだ。
昨季5位のビジャレアルは、ヨーロッパリーグ(EL)との連戦も控える。まずシーズン序盤、変化を付けられる久保が「切り札」としてスタンバイすることは、チームにとって、より大きな効果も見込めるか。
とはいえ、もちろんレギュラーの座を掴むことは当面の目標にもなる。19歳のMF久保にとって、スペインでの2シーズン目の冒険がいよいよ始まる。
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[文:サカノワ編集グループ]