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南野拓実“幻のゴール”、VARで何が起きた?「オフサイド」→「マネのハンド」

南野拓実。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

偶発的でも腕に当たって決定機を作り出した場合は、全てファウルに。

[CL GS6節] ミッティラン 1-1 リバプール/2020年12月9日/MCHアリーナ

 UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ(GS)6節、リバプールFCの南野拓実がフル出場を果たした。1-1で迎えた88分、マネのヘディングの落としに飛び込み、決勝点を奪ってみせた、かに思われたが……。南野のオフサイドを告げる副審の旗が上がり、その後、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。結果的にマネのハンドでノーゴールとなった。

 問題のシーンは試合終了間際に起きた。右サイドからのクロスに対し、マネがジャンプヘッドで競り勝ちボールを斜め前へ落とす。後半2列目に入っていた南野はゴール前へ飛び込み、右足でしっかり合わせたボールをゴールネットに突き刺した。

 するとその瞬間、副審がオフサイドの旗を上げる。すでにこの時点で、南野は天を仰いだ。

 ところが、スロー再生されるVTRでは、南野がオンサイドであることが明らかになる。

 それでもフランソワ・ルテクシエ主審は長い時間、VARと連絡を取り合う。そして約3分後、最後はマネのハンドでノーゴールという判定を下したのだ。

 映像からは分かりにくいものの、マネが空中戦で競り勝ったあとのボールが腕に当たっていたようである。

 サッカーの統一ルールを制定する国際サッカー評議会(IFAB)では、2019-20シーズン、第12条「ファウルと不正行為」のハンドのファウルの項目に、「偶発的であっても、ボールが自分や味方競技者の手や腕に触れた直後にゴールする or 得点の機会を作り出す」と明記。また2020-21シーズンには、「攻撃側競技者(あるいは、味方競技者)による『偶発的なハンドの反則』は、得点か明白な得点の機会となる『直前』のものだけが罰せられる」と具体的な説明も加わった。

 結果的にそのファウルが適用された。つまり“偶発的なハンドでも、決定機を作り出した”と見なされたのだ。

 とはいえ、マネの腕にボールが当たっていたのかどうかは、繰り返されたVTRを見る限りでは確認できなかった。そもそも“反則”なのかも今後議論になる。

 いずれにせよ、南野にとっては不運であり、幻のリバプールでのCL初ゴールとなってしまった……。

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[文:サカノワ編集グループ]

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