「これでは日本のサッカーが終わってしまう」反町監督が激怒。審判とアセッサー、コミッショナーの質に言及
松本山雅の反町康治監督 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
松本が二つの判定で大敗。主審のレッドカード乱発をデータで示す。
[J2 19節] 松本 1-4 大分/2018年6月16日/松本
岩間雄大の一発レッドカードに、浦田延尚のPK献上……さらに判定基準が定まらないまま試合は進んだ。アルウィンでの今季初黒星を喫した松本山雅FCの反町康治監督は試合後、「今は感情的になっているが」と語ったうえで、主審を取り巻く環境について言及した。
「いろんなコメントをすると罰金にされるので、普通のコメントをしないといけないが、腸が煮えくり返っているのは間違いない。岩間も、浦田も悪くない。悪いのは誰かというと……上手くコメントできない。ただ我々は最後の笛が鳴るまで、追いつくべくチャレンジしたことは間違いなく、最後まで応援していただいたことを嬉しく思います」
そのように反町監督は試合後のインタビューで切り出した。しかし、過去にないほど腸が煮えくり返っていたようだ。このあと、「少し長くなりますが」と堰をきったように、思いを語った。
「今日の主審は、昨年も20試合で8枚レッドカードを出している。つまり(1試合平均)0.4です。我々(松本)は3試合でふたつレッドを出されている。ここでの徳島戦と、金沢戦です。そういう話をしてピッチに送り出しました」
この日主審を務めた清水勇人氏の過去に非常に多くのレッドカードを提示してきたデータを示し、説明を続けた。
「あれ(試合を左右した二つのプレー)をどう判定するかは何とも言えません。ただ、レフェリーのアセッサー、それにマッチコミッショナーもいますし、正確なレポートを書いてくれないと、日本のサッカーは良くならない。ワールドカップではVARでたくさん監視されている。でも我々は、そういう経緯を含め、0.4はないですよ。彼はJFL時代の2013年から笛を吹いていて、10試合で3枚の平均です。0.3。ずっと笛を吹かせていていいのか、しっかり精査しているのか」
さらに反町監督は、奈良クラブと名古屋グランパスの天皇杯でのPKやり直し問題にも触れた。
「この前、3か月の出場停止を食らったレフェリーがいますが、あれも何とも言えません。天皇杯にはレフェリーのアセッサーがいます。でも、それ(規定)を分からないアセッサーを連れてきて、レフェリーにだけ責任を負わせる。もしくはマッチコミッショナーも、いますからね。その方も気付かず、そのあとに(奈良クラブと名古屋グランパスのPKやり直し)分かって、なぜ、レフェリーだけが罰せられるのか。日本のサッカー全体を考えた場合、少し納得がいかない部分がたくさんあります。これはもう私が感情的になっているので言いますけれど、少し辛いですね」
そこで再び松本の話に――。
「我々もフェアにやるチームを作り上げてきました。果たしてそんなに汚いプレーをしているのか、レッドに値するプレーだったのか。それをしっかりレポートを書いてもらって、しっかり精査してもらいたい」
「このようなゲームを続けていたら、サッカーが終わってしまう。スポーツではなくなってしまう。いろいろと(日大アメリカンフットボール部の)タックルの問題などもありますが、私は指導者として、今日、岩間、浦田を責めるつもりはありません。正々堂々とやったので辛いです。もちろん試合に負けたのはしょうがないです。負けは認めます」
そして次節、再びホームで迎えるジェフ千葉戦に向けて次のように語った。
「最後まで死にもの狂いで戦ってくれた選手たちに感謝しています。一人少ないなか1.5倍ぐらい走ってくれた選手がたくさんいました。報われませんでしたが、必ず次につながると思いますし、続けていかないといけない。応援に来てくれたサポーターはストレスを貯めて帰られると思います。そのストレスを、今度、最後笑って終われるように努力します」
顔を赤らめた反町監督はそのように、主審の判定だけではなく、レフェリーアセッサー、マッチコミッショナーを含めたレベルアップの必要性を説いた。日本のサッカー界に一石を投じた。
文:サカノワ編集グループ