最下位の名古屋…「周りに7、8人いた」柏木の言葉が浮彫にする課題と浮上へのヒント

(C)SAKANOWA

リーグ戦は14試合勝ち星なし。狙っている「分母の分母=チャンスのチャンス」は増やせているが…。

[J1 17節] 名古屋 – 広島/2018年7月22日18:00/豊田スタジアム

 名古屋グランパスは7月18日のワールドカップ(W杯)による中断明けのリーグ初戦、浦和レッズに1-3で敗れた。これで2節のジュビロ磐田戦以降、14試合勝ち星なし。しかも3連敗。通算勝点9で最下位のまま、17位鳥栖との勝点差は5に開いた。

 風間八宏監督は試合後の記者会見で「我々の姿が戻ってきた」と言い、浦和を相手に主導権を握れたことをプラスに捉えていた。確かに狙っている「分母の分母=チャンスのチャンス」を増やすことはできていた。選手たちからも「悪くなかった」という言葉も聞かれた。

 しかし一方で、「悪くはなかった」が「良かった」とは決して言えなかった。チャンスのチャンスから生まれた「チャンス」は限定的。分母の上に乗せる重要な「分子」を、いかんせん積み上げられずにいる。

 気温30.8℃のなか、見方によっては、名古屋は浦和に”攻めさせられていた”とも言えた。それを物語るのが、浦和のボランチでフル出場した柏木陽介の言葉だった。

 この日、両チーム最長の10.946Kmを走り、「今日は誰が疲れたかと言うと、青木と俺になるかなと思う」と語った。両チームの走行距離では、2位が小林裕紀の10.835Km、3位が青木拓矢の10.423Kmだった。

 柏木は続ける。

「それもあり、後ろの選手(浦和のDF陣)は『あまりしんどくなかった』と言っていたが、俺ら(ボランチ)の周りに相手選手が7、8人いるような状況でボールを回されていた。そこから怖いプレーがあったかと言うと、そうでもなかった。回させているという気持ちでできていた」

 そのように柏木は名古屋の攻撃にそこまで脅威を感じなかったと言った。リードを奪ったあとの浦和は無理をして攻めず、しっかりリトリートして対応できていた。

 つまり、浦和のボランチのあたりに名古屋の選手が集中。そこから前へ人数を掛けられずにいた。ボールを回せているとはいえ、結局、ジョーとガブリエル・シャビエルの「個」の力にフィニッシュを委ねる形になり、いくらパスをつなげても、それを連動したフィニッシュにまで昇華できなかった。

 この中断期間には、中谷進之介、エドゥアルド・ネット、丸山 祐市、前田直輝と4人を補強した。彼らは22日のサンフレッチェ広島戦から出場可能になる。果たして彼らがチームに欠けている、分子を「1」にする存在になれるか。言い方を変えれば、ケーキのデコレートのような存在になれるか。

 キッカケさえ掴めれば勝点を積み上げていける素地はできつつある。川崎時代に猛威を振るったエドゥアルド・ネットの後方からの飛び出しなど、攻撃にあと1枚、2枚厚みが増せば、それだけでガラッと展開も変わりそう感じもする。首位・広島との一戦、むしろ思い切って挑むことで、現状打破へのチャンスになるかもしれない。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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